第12回(2015年) 入賞者

ねじめ正一氏選評
 ポエム大賞は永澤歩依さんの「いつもの道ってどんな道?」である。この作品は家から学校の道を歩いているだけの詩であるが、一緒に歩いているような気分にさせてくれる。それは水たまりに入って靴がびしょびしょになり、読み手は作品へ寄り添う気持ちになって、最後までひっぱられた。素朴でありながら素朴を越える力強さがある。
 富山銀行賞は加納由宇さんの「ねる」である。お兄ちゃんたちの声が聞こえてきて、自分も仲間に入りたい気分が伝わってくる。家族への思いがひしひしと伝わってきて、ほのぼのとした思いになった。タイトルの「ねる」は傑作である。
 小学校部門最優秀賞は荒井美己都さんの「ふしぎなれいぞうこ」。冷蔵庫の中にライオンがいて、ランドセルの中にはライオンの子どもがいるという発想が面白い。このライオンも単なる思いつきではなく、最後まできちっと展開できている。
 中学校部門最優秀賞の石田万千さんの「ト・モ・ダ・チ」は最初の5行にこれは何かが起こるぞ!と引っ張り込む力がある。そして、君の存在があらわれ、この君はいったい何だろうと謎解きが楽しかった。
 高校部門の最優秀賞の東海周さんの「みゅーじあむ」は今回の作品の中では現代詩のイメージに近い。詩のタイトル通りにミュージアムの中に読者は連れていかれる。「プラスチックのオマケ」「新手の宗教」「穴のあいた木の着ぐるみ」という言葉が出てきて、こちらは混乱させられる。この混乱さこそが東海さんの言葉である。
 今年度の素晴らしい作品には家族を描いているものが多かった。それも家族をねらって書いているわけではなく、自然に書かれているようでほろっとしてしまった。
ポエム大賞
いつもの道ってどんな道?
高岡市立高陵中学校2年 永澤 歩依
家を出てから5分くらい。
いつもの長い信号が
今日は止まることなく青信号。
なんだかラッキー!
そう思ったのもつかのま。
足元見たら水たまり。
思いきりくつがビショビショに。
なんだか足が気持ち悪い。
そして屋根つきの道、通り抜け
日かげが日なたになっちゃった。
なんだか暑いな。
日かげにダッシュ!
やっとここまで!大仏さん。
部活は今から。
だけど暑くて汗たくさん。
お昼で太陽、頭の真上。
大仏さんも頑張るね~。
部活に遅れる!またまたダッシュ!
ヒーヒーハーハー言いながら
同じ部活の友達、発見!
すばらしく遠くにいますね~。
せーの!
またまたダッシュで追いかける。
かばんの中の水筒カラコロ。
走る足はバッタバタ。
くつの中の水なんて気~にしないっ!
友達、近くなってきた。
なのにまたまた長い信号!
お願い!赤にならないで!
友達、先に渡っちゃう。
チカチカちょっと危ないぞ!
でもギリギリ渡れてホッと一息。
友達が気づいてくれた!
よし!もうちょっと!     。
おいついた~!
あれこれ話して学校に向かう。
汗がビショビショ、
くつがビショビショ。
なんか大変だったいつもの道。
だけど信号渡れたな。
だけど友達に会えたな。
なんか良かったいつもの道。
今日のいつもの道は
大変だったけど良かった道!
それじゃ明日は?
明日になってのお楽しみ!
ぬれたくつをげた箱に入れた。
汗がビショビショだって
気~にしないっ!

富山銀行賞
ねる
高岡市立平米小学校1年 加納 由宇
ねっころがると
きもちいい
ねるまでのあいだ
はなしでもしよう
おもちゃのはなし
ともだちのはなし
となりのへやからも
はなしごえがきこえる
おにいちゃんたちだ
たのしそうで
うらやましい
ねむたいけど
ねたくない
でもめがつぶれて
ねたらすぐ
あさがきた
すこしつまんない

最優秀賞
ふしぎなれいぞうこ
高岡市立平米小学校4年 荒井 美己都
学校からかえってきたわたし
れいぞうこのほうへいって、アイスをとりだそうとしたら、ライオンがでてきて
「ガオー手をあらってからたべろー」
「バタン」びっくりしてしめちゃった
でもきになったから「よし」もう一どあけてみた
「手をあらったのかい」
とつぜんライオンがきいてきた
「あらってない」わたしはいった
「ガオーいますぐあらってこい」
れいぞうこをしめてあらってきた
こんどこそアイスをたべようとれいぞうこをあけてみた……まだライオンがいた
「お母さんにいってからたべろー」
わたしはしょうがないからお母さんにいってきた
またれいぞうこをあけると
ライオンはなぜかねていた
わたしはいまのうちと思ってアイスをとろうとしたのに
「だめだー宿題をすませてからたべろー」
とライオンの声
「まあいっかぁ今日の宿題プリント1まいだけだし」と言ってランドセルをあけた
そしたらライオンの赤ちゃんがいた
「えっなんでー」
「やあいアイスもってこい」
「わっわかったよでも宿題をしないとアイスをもらえないんだ、だから宿題とらせて」
とろうとしたら「ガブッ」「いてっ」
「だからー」
「アイスもってこい」
「わかったよー」
おそるおそるれいぞうこをあけた
「宿題はおわったんだろうなー」
「ランドセルにライオンの赤ちゃんがいてとりだせなかった、アイスもってこいって」
「なっなにライオンの赤ちゃんだと」
「そっそうだけどどうして」
「実はオレの子どもなんださいきんどこかにいってしまってこっちにつれてきてくれないか」
「でもアイスもっていかないとでてこないよ」
「しょうがないなー」
わたしはアイスをもらってライオンの赤ちゃんにあげた、そしてれいぞうこのお父さんのところへつれていった
「さがしてたんだぞ」
「ごめんなさい」
「よかったね」
えーっと宿題しなきゃ
「あれ?なにしたかったんだっけ」
「アイスだ」
「まあいっか」

ト・モ・ダ・チ
片山学園中学校3年 石田 万千
ソーダー水に、フワッと生クリームをトッピングした空。
tbicな音で、虫たちはオペレッタを堂々と演じ
静かな風が、私の側で座り込む。

さあ、すべてが揃った。
夏が抱えてくるものを、身体いっぱいに受けとめて、ちょっと苦い味付けをする。

さあ、行こう。
君の手には、届かぬ世界へ。
伝説を確かめる為に、さあ勝負をつけよう。
夏と戦うこの舞台で。

ちょっといい事がありそうなバケーション。
けれども君は、何度も何度も飽きもせず
ニヤリと何かを運んでくる。
どうせ、受け止めはしないのに。
目の前にあるのは、半分以上残ったシュクダイの山。
教科書片手に、フーッとタ・メ・イ・キ。
ジワジワと、頭が黒くなるのがわかるほど君を読んでいる脳が、次第に悲鳴をあげる。


それは、私に起きたsummer騒動。
了解!私の負けだ。
今日も君にダマされる……。

君と仲良くゆこう。
君は、ト・モ・ダ・チ。
大キライで、とても大切な
休みの日の「算用数字」

みゅーじあむ
高岡第一高等学校1年 東海 周
コインを入れて一歩踏み出せば
そこはとっても不思議な世界
びっくりするものダラケ
中の人達
これはムズカシイ、それともユカイ
目はみんなキラキラ

真っ白な壁に入口が沢山
部屋から部屋へ 世界は変わる

ここは宇宙のような部屋
床いっぱいに
赤赤、黄色、緑、青青
プラスチックの古いオマケ
無数に、無数に
みんな捨てられた
でも、きれいに並べられて
こちらを向いて笑っている
だけど
おもちゃの笑顔はホンモノ?
角を曲がれば
次の部屋はお化け屋敷
顔の部分に穴のあいた木の着ぐるみが
薄暗い部屋中に並んでいる
みんな動かず止まっている
あれ、ゆっくり歩き出した?
なんだか新手の宗教かも

次の部屋はカメレオン的空間
天井にぽっかりあいた四角の穴
ニセモノ?ホンモノ?
空が見える
晴れの昼は真っ青な天井 夕方はオレンジ色
雨のときは濡れる部屋 床は灰色に光る
雪のときは白い床に冷たい綿が重なる
部屋なのに光と水と空気の色が変化して
時間が流れていく
落ち着くのにざわざわと
揺さ振られるココロ ココロ

足を入れたら異次元の世界
いない人との対話の時間
街の中のぽっかりあいた冒険旅行へ
イザナウ イザナウ

優秀賞
おばあちゃんの一日
高岡市立平米小学校2年 筏井 悠斗
あさおきて ふぅわあ
きがえて ふぅ
ごはんをつくる時 んっ
ごはんができたら ふぅ
たべているとき もぐ
たべおわったら へぇ
おちゃわんをあらう時 うわぁ
コップをふく時 きゅきゅ
おわったら はぁ
ねる時 ふぅ
おきたら ぷゎあ
テレビを見る時 んっ
テレビがおわった時 はぁ
おひるごはんをつくる時 よし
おひるごはんができたら はぁ
おひるごはんをたべる時 おいしそう
たべおわったら ふぅ
しょっきをあらう時 よし
おひるねをする時 おやすみ
おきたら ふゎあ
えをかく時 よし
えがかきおわったら はぁ
4時になってごはんをつくる時 よし
ごはんができたら ふぅ
ごはんをたべる時 「いただきます」
ごはんがおわったら 「ごちそうさま」
しょっきをあらう時 「よし」
しょっきをふく時 「よし」
はみがきをする時 「よし」
おふとんにはいる時 「おやすみ」

だいどころの音楽会
富山市立豊田小学校5年 後藤 吏璃
きょうも始まった 音楽会
場所はだいどころ
しき者はお母さん
えんそうしゃの じゃがいも にんじん
玉ねぎ 牛肉
トントントン
ほう丁のメトロノームに合わせて
野菜とお肉が ジュージュー歌い出す
おなべの中は グツグツ大合そう
クライマックスはカレーのルーと
わたしのおなかの大だいこ
はく手といっしょに
カレーライス いただきます

耐震工事と私
高岡市立高陵中学校2年 広瀬 友香
耐震工事が始まった。
思ったよりも細い鉄骨で幾重にも組まれた足場。
ジャングルジムにすっぽり学校が入ったみたい。
想像以上に緊急事態な感じ。
ジャングルジムの足場に囲まれて、何だか学校がきゅうくつそうだ。
そういえば自分も見えないバリアの中に入っている気分になるときがあるな。
小さな頃は何も考えなくても行動できたのに、今ではすぐにできてたことも周りを気にしてしまう。
「頑張りすぎ」」はりきりすぎ」
自分をじゃましてくるいじわるな気持ち。
心もまっすぐ出口にたどりつけない。
あっちにぶつかり、こっちにぶつかり、回り道ばかりしている。
耐震工事中の学校は教室も移動して廊下もせまい。
階段を上りきっても出口がなかったり迷路みたいだ。
おまけにこの季節は暑くて、ムカムカする。
工事の音も耳障りだ。
自分もバリアの中にいると、声を張り上げてみたり発散しないとスッキリしない。
感情のままに言いたいことを言った後、何言ってたんだろ、と冷静になることもある。
心と態度のギャップにとまどう。
そんな時、そのバリアを破ってみたいと思うんだ。
わくわくする気持ちもないわけではない。
反抗せずに素直になって自分の気持ちを伝えたい!
中学生になって背伸びして、見ためは成長したけど中身はどうだろう。
新しく友達になった人、年の離れた人、さまざまな人と接することで自分は磨かれていくのかな。
そしてピカピカに輝けるかな。
たくさんの足場以上にいろんな経験をしないと。
学校も一つ一つきれいになっていく、私も一つ一つクリアしていかなきゃ。

私の耐震工事はまだまだ続きそう。

星と太陽
高岡市立高陵中学校1年 筏井 沙知
太陽の火は誰がつけたのだろう
神様がマッチでつけたの?
それとも
スピカのおとめがマッチでつけたの?
それとも
ベテルギウスのオリオンがマッチでつけたの?
双子のポルックスとカストルがマッチでつけたの?
誰が火をつけたかは
分からない
でも
太陽は燃えている

おばあちゃんの声
富山県立高岡西高等学校1年 能登 晴香
今日も聞こえるおばあちゃんの
「おかえり」の声
私の「ただいま」に続く「おかえり」
この声を聞くと安心するんだよ
今日も無事に一日が終ったんだなって
朝6時に起きて、7時半に家を出て勉強して部活をして家へ帰ってきて宿題をして寝てまた朝が来る
こんなあたりまえな毎日でも1日の終わりをしめるのが「おかえり」の言葉
まるで私をずぅーっとまっていたかのように聞こえる
ある時いつも通りに帰って「ただいま」と言ったが「おかえり」は返ってこない
なんで?
不安になって家中を探しまわった
しばらくしておばあちゃんは帰ってきた
おしょうゆが無くなって買いにいっていたらしい
この「おかえり」の一声がないだけで不安になる自分に驚いた
この時私は思った
「おかえり」のこの一声だけで私はすごく安心するんだ
「おかえり」のこの言葉は私を支えているんだと。
もしも突然「おかえり」と言ってくれる人がいなくなってしまったらどうなるのだろう
「ただいま」の後に「おかえり」の言葉がないのは悲しい
とても孤独に感じてしまうだろう
少なくとも誰かが私の帰りを待っていてくれていると信じたい
「おかえり」という言葉
この言葉をおばあちゃんにずっと言ってほしい
今日も私は
「ただいま」―「おかえり」で1日を終えていく。

車内の二十分
富山県立富山いずみ高等学校2年 芦﨑 美友
朝の車内
スマホをいじる大多数
本を読む私
ちょっと優越感

夜の車内
友達と話す大多数
目を瞑る私
ぐっと疲労感



唯一一人の思考時間

佳作
くさい牛乳パック
富山市立広田小学校4年 岡嶋 晟那
牛乳パックは洗わないと

くさい

くさいといえば

おならもある

おならは 牛乳パックとちがい

洗うことも

できない

だから

なにもできない

私の家の近くに
高岡市立平米小学校6年 佐野 光希
 私の家の近くにはふれあい動物園がある。
 ふつうの動物園とはちがう。

 なにがちがうかというと、ねこがいたとする。でもそのねこは、ただのねこではなく…
 魚料理のプロだったりする。
 それに、うさぎは、なわとびのプロ。二十とび、三十とびなど数えきれないほど。
 次、ねずみはうらないし。言ったことはかなりあたる。とくに事故にはびんかん。

 ほかにも芸をするのがいる。
 一番有名なのはサルだ。
 サルは、球にのりながらあやとりや料理、さかだちなどできる。
 サルの芸は種がつきないので、おもしろい。

 他にも勉強やスポーツなど教えてくれる動物がいる。
 一、走りのコツを教えてくれるのは馬。
 教えてもらった人は足が速い。
 二、勉強を教えてくれるのがイルカ。
 教えてもらった人は頭がいい。


 こんなにいいことがいっぱいあるけど…
 私は苦い思いをした。
 それは、ペンギンに泳ぎを、おしえてもらったときのこと…私は泳げなかったから、ペンギンに泳ぎを教えてもらうことにした。
 でもすぐにやめた。

 だって…ペンギンと私達の泳ぎ方はちがうから。

からあげ
高岡市立平米小学校4年 筏井 菜生
「ジュワジュワー」
夕はんはからあげ
からっとあがった
からあげがおいしそう

ごはんが終わって
おふろに入ると
「ジュワジュワー」
またからあげの音がした
「大野屋でからあげまんじゅうを
 作っているのかな。」
とお父さん。
それは雨の音だった。
「ジュワジュワー」

福岡べん
高岡市立戸出東部小学校4年 森田 晴子
母さんは
福岡から富山にとついできた

毎年 私 母さんと
夏休みに
福岡のじいちゃんのところに行くんだ

晴子ちゃん ひさしぶりやけん
夏休みは楽しいと?
いつまでここにおると?

じいちゃんの福岡べんにはいやされる
母さんは
富山べんわすれて いきいきと話してる

「~と?」は 私の大好きな言い方
これを使っている母さんも好き
少しずつ 若がえっていくみたい
晴子 これ食べてみると?
これ おいしいけん
母さんは 福岡県民にもどってる


ああ ここは福岡なんだ
母さんは こんな言葉使って
大きくなったんだ
じいちゃんと 話していたんだ
時々 けんかもしたんだろうな
なんだか 変な気持になっていく

富山にもどったら
母さん また
富山べん使えるかな

私の夏休み
高岡市立戸出東部小学校5年 鷲北 美優
私の夏休み
お母さんに
いつも通りに 起こされる
「ご飯、ご飯。」
と せかされる

私の夏休み
お母さんのお手伝い
家族七人分の皿洗い げんかんそうじ
洗たく機だって 回してる

私の夏休み
お母さんに
たくさん勉強させられる
漢字練習 計算ドリル
感想文はまだかと せめられる

私の夏休み
なんだか
お母さんの 夏休みみたいだな

言葉の力
高岡市立五位中学校1年 大島 沙名絵
私のこころに響く
「言葉」には
不思議な力があった
うれしくさせてくれる力
楽しくさせてくれる力
喜ばせてくれる力
けれども いやな力もあった
悲しくさせる力
さびしくさせる力
イライラさせる力

誰かが意味もなく放った
その「言葉」一つで

うれしくなったり
悲しくなったり
自分に放たれることも
相手に放つことも

そんな「言葉」に傷ついて
なみだがこぼれ落ちた夜
どこかで蛙が
「ピョンッ」と跳ねた

君の笑顔が

いつだって
私の
不安でそわそわする気持ち
悲しみでしずんだ気持ち
怒りでいらいらする気持ちを
ほどいてしまうのは君の笑顔だった
その君の優しい笑顔が
どれだけ私に勇気をくれたか

だから今度は
君に
不安な事
悲しい事
怒(おこ)りたい事があったときは
君がどこにいたって
すぐ飛んでいく
とびっきりの笑顔で

ひまわり
高岡市立高陵中学校1年 中谷 誠司郎
あついなつ

おはようサンサンごきげんさん

きょうもかがやいてるね

あしたもあさってもかがやいてるね

きょうはくもさんこんにちは

もくもくもくもくパンみたい

よるはつきさんこんばんは

ひにちがたつとまるくなる

またまたあったねたいようさん

やっぱりぼくは

たいようさんを追いかける

水泳大会
高岡市立高陵中学校2年 片山 真之介
自分のレースが始まる一時間前
僕は集中力を高める
自分のレースが始まる五十分前
緊張して腹が痛くなる
自分のレースが始まる四十九分前
急いでトイレに駆け込む
自分のレースが始まる四十分前
やっと腹痛が治まる
自分のレースが始まる三十分前
更衣室に水着をはきに行く
自分のレースが始まる二十五分前
水着がきつくてはけない
自分のレースが始まる二十分前
やっと水着をはくことができた
自分のレースがはじまる十五分前
招集所の近くで集中する
自分のレースが始まる十三分前
自分の名前が呼ばれ、招集所に入る
自分のレースが始まる十分前
緊張感が高まる
自分のレースが始まる五分前
入念にストレッチをする

自分のレースが始まる三分前
入場用の音楽に合わせて、自分のレーンまで歩く
自分のレースが始まる一分前
放送で自分の名前が呼ばれる
自分のレースが始まる十秒前
四つの短い笛の音と一つの長い笛の音が鳴り響く
自分のレースが始まる0秒前
勢いよく飛びこむ
泳ぎ始めて百メートル
早くも体中から悲鳴があがる
泳ぎ始めて二百メートル
体のつらさになれてくる
泳ぎ始めて三百メートル
少しずつラストスパートをかける
泳ぎ始めて四百メートル
全力で泳ぐ
泳ぎ終わって三秒後
電光掲示板を見る
泳ぎ終わって五秒後
達成感があふれ出る
これだから水泳はおもしろい

更なる高みへ
高岡市立高陵中学校2年 中村 虎太郎
ある日、忍者と出会った
忍者の、予想もしないところからあらわれる、そんな意外性に僕はあこがれていた
忍者の寺というのも意外性があって、
こんな家に住みたいな、って思ってたんだ
忍者は顔を隠していたから、
なぜなの、って聞いたんだ
そしたら、僕を超えたとき教えてあげるよ、
そう言った

そして僕は忍者についていった
水の上を走ったり
景色に同化して隠れたり
煙玉で逃げたり
いろんな技を習得した
いよいよ城に忍びこんで
技を使ってみたけれど
なんだかうまくいかないな
いつも追い出されてしまうんだ
なんでだよ、ってイライラしてたら
忍者は自慢気にこう言った
相手の気持ちを読みとるんだ
それが忍者の心得さ、ってね
「ああ、そうだったのか!」
今まで僕は技という手段にとらわれていたけれど、
城を攻略するという目的に気づくことができたんだ

それからは城番の気持ちになってみて、
技をうまく使えるようになったんだ
どんなたくさんの仕掛けがある城でも
自信をもって忍びこむことができたんだ
技を使いこなせるようになって、
忍者に認められた
ああ、もう目標は忍者になることじゃなくて
忍者を超えることなんだ、って
そのとき気づいたんだ

僕はどんどん城を攻略していって、
忍者は五百城、僕は四百九十城
あと十城まで迫った
そして…
僕は忍者を超えることができた
あこがれの忍者をとうとう超えたんだ

そして、忍者は顔を見せてくれた
すると…それは自分だったんだ
目標としていたのは理想の自分だった
ふと周りを見渡すと、新たな忍者が走り去っていくのに気付いた
僕はまた、それについていった

高らかに名乗るなら
高岡市立五位中学校3年 吉田 光輝
我こそが 悲しみだと名乗るなら
立ち去ることを知れ

我こそが 喜びだと名乗るなら
とどまることを知れ

我こそが 憎しみだと名乗るなら
消え去ることを知れ

我こそが 笑いだと名乗るなら
ふりまくことを知れ

我こそが と 高らかに名乗るなら
おのれの役割を知れ

でも 実際はどうだ
ああ…
それだから ため息がとまらない

高岡第一高等学校1年 阿部 知果
母の声はやすらげる
「おかえり」その一言でほっとする
友達とけんかした
悔しいことがあった
「うんうん」聞いてくれるだけで救われる

父の声は気持ちが引き締まる
「おかえり」その一言で靴をそろえたか振り返る
多くは語らないけど
一言一言に重みがある

妹の声はワクワクする
「おかえり」その一言で笑顔になれる
妹にだけ話せる内緒の話
今日は何を話そうかな

友達の声は元気が出る
「おはよう」顔を見るだけで大爆笑
昨日見たテレビの話
今日の課題の進み具合
話すだけでどんどん元気になれる


私の声はどんなだろう
誰かをほっとさせられているだろうか
誰かを励ましてあげられているだろうか
誰かを笑顔にしてあげられているだろうか
誰かを元気づけられているだろうか

そんな、あたたかい声になれますように

弟なんて
高岡第一高等学校1年 平 咲花
弟なんて蝉や蠅みたいに
うるさいし
弟なんて鏡みたいに
すぐ真似をしてくるし
弟なんて金魚のふんみたいに
しつこくついてくるし
弟なんて猫みたいに甘えてくるし

弟なんて
小さくて キラキラしていて かわいいし

弟なんて 大好きです

天秤
富山県立高岡西高等学校1年 原田 恵菜
大きい人間になりたかった
十五センチものさしにも満たないこの手で
何がつかめるのだろうと思った

小さい手は 両手を合わせても
大きい器にはならず
多くのモノをとりこぼしてるようだった

片方だけが重たい天秤は
一体 何を意味しているのだろう

左足で何度も地面を蹴った
それなのに私の靴だけがすり切れるだけ

右足を何度も地面に叩きつけた
それなのに私がここに居るか分からない

天秤のバランスの悪さは
肉体と精神のバランス

どうやら心が足りていないよう


ただ空で泳いでいる雲は何を思う
ただ私達を照らす太陽は何を思う
ただ見下している木は何を思う

考えても正解のない答えで埋めていった
そこに本物の情報は何も無くて

ただ偏った私の思考
ただ片寄った私の思考

あれ またかたよってしまった

大きい人間には ほど遠い私

矛盾と相克の心
富山県立富山いずみ高等学校3年 石井 里奈
相反する思いが胸の内で共存する
孤独を求める心と
他人との繋がりに縋る心
自分一人じゃ立てないくせに。

相反する思いが胸の内で共存する
楽しみ事を待ち遠しく思う心と
終わった後の虚無を恐れる心
私の中はいつも空っぽなのに。

相反する思いが胸の内で共存する
普遍の日常に安堵する心と
どこか変化を望む心
一歩を踏み出す勇気もないくせに。

相反する思いが胸の内で共存する
早く大人になりたいと焦る心と
自由な子供のままでありたいとくすぶる心
大人になることの意味も知らないのに。

十八という青い青い心臓は
まだまだ赤に染まる気配がない。

秘密
富山県立いずみ高等学校3年 佐伯 和嘉
道端のすみに小さな小さな白い花
他の花に夢中なあいつらは気づかない
羽を広げて
着飾った気取り屋な
高嶺の花へ飛んでいく

ばかだなぁ…
でも、これでいい
ぼくはあいつらと違って知ってるんだ
白くて小さいあの子の密が
何よりも甘いこと
何よりも優しいこと

それを知っているのはぼくだけさ
他のやつには教えてあげない
あの子も密も
ぼくだけの秘密

高嶺の花なんて興味ない
ぼくは羽を広げて野原を飛んだ
今日も行く
ぼくだけの
かわいい秘密に会うために

奨励賞
つり
富山市立広田小学校4年 保髙 良侑
つりに行った

えさをつけないでもつれた

あじがいっぱいつれた

たべきれなかったから

となりの家の人にあげた

あじがないてびっくりした

道具の生き方
富山市立広田小学校4年 田中 咲耶
えんぴつはしんがけづれてしんでいく
消しゴム消したら消しかすにへんしん
のりはべたっとはってくっつかせる
マジック書いたらインクでる
物さし真すぐの線をひいてよごれてく

えんぴつけずりえんぴつの木たまってく
クリップ紙をはさんでととのえる
筆箱えんぴつおなかにいれている
下じきはノートの紙の下にある
はさみは物を切りまくる

いろんな道具 いろんな道具
使われていって うれしいな

朝のわたし
高岡市立平米小学校4年 安養 侑歩
ジリリリリリリ
う~ん、う~ん
おきなきゃ
おきなきゃ
ねむたい
ねむたい
あと五分だけ…
ぐ~…
あ、もう十四分もたってる
おきなきゃ
おきなきゃ
ねむたい
ねむたい…

よし、おきよう!
かいだんをおりてリビング
犬にもおはよう
ん?
なんか今日の部屋あったかいなぁ…
パチッ!
目があいた
見るとそこはベットの上
なぁんだゆめか
でも今度こそおきなきゃ
おきなきゃ
おきなきゃ
ねむたい
ねむたい…

「おきなさーい。もう六時半すぎたよー!」
お母さんの声だ
うるさいなぁ
ん?
おきなさいってことは…
またゆめ見てたのか…
あーあたまが重い
足がうごかない
うごけないよー…

「おきなさーい。もう七時だよー。もうよばないからね!」
ん?
またねてた?
でも、もう七時ってことは…
やばっ!
おきなきゃ!
ふとんをはがす
う、さむいなぁ
でもおきなきゃ!
わたしの足うごけ!!

今日のごはん
砺波市立砺波東部小学校4年 関 敬美
お昼ごはん何がいい?
てお母さんに聞かれたから、
おいしいものー
て答えると
うーん…
と言って作ってくれる
そしてごはんのとき、
期待のおいしいものとちがって
これか…
てしょげて言うと、
お母さんおこった
ゴメンナサイ
てあやまっても
プリプリプンプンおこる
悲しくなってビービ―わんわん泣くと
顔洗ってきなさい!
ておこられた
だからジャブジャブ顔洗う
そして顔洗っても泣きそうな私に、
何もなかったようにニコッてわらい、
夕ごはん何がいい?
て聞いてきた
えっ?!

あっかんべぇ
高岡市立東五位小学校3年 吉田 啓人
お父さんに あっかんべぇをしたら
「んー? にらめっこ?」
と へん顔してきたよ

お母さんに あっかんべぇをしたら
「えー? なんで?」
と わらいだしたよ

お兄ちゃんに あっかんべぇをしたら
「は? お前 何したいん?」
と こちょがしてきたよ

ぼくの あっかんべぇは
だれにも つうようしないよ

しょうがないから
かがみに あっかんべぇをしたよ

そしたら おかあさんに
「そんなの 練習したって むだだよ」
と わらわれたよ


ぼくは ふりむいて
思いっきり あっかんべぇをしたよ

あり
射水市立大門中学校1年 長澤 遼太
晴れた朝
長い行列
ぞろぞろぞろ

ありがえさを運んでいる
ぞろぞろぞろ

参勤交代みたいだな

春を呼んだ青
射水市立大門中学校1年 片山 空
青が春を呼んできた
まだねていた春に
もう起きなさいと

青が春を呼んできた
まだ咲かない花に
花を咲かせるため

青が春をつれてきた
みんなに春をつたえるために
春を起こした新幹線

日本一美男の大仏さん
射水市立大門中学校1年 宮下 美穂
総高15m85cmの大仏さん

あまりにも美男だから見とれていた
首が痛い…

でも大仏さんのやさしい目が
私の首の痛みを治してくださった
私の心をいやしてくださった

母と子
射水市立大門中学校1年 木倉 里紗子
小さな子供の竹の子が
日を浴びて
大人になろうと急いでいた

周りの大人はそれを見て
さわさわと 笑った
静かに 笑った

夏祭り
射水市立大門中学校1年 島田 圭祐
祭りに行くと
屋台がへびのように
並んでいる

とても楽しい

だけどさいふの中が
せみのぬけがらのように
からだった

富山県立富山いずみ高等学校2年 大井 真穂
私の好きなもの
ソフトクリームに宇宙柄
本屋で本を選ぶ時間と
平日の昼間の町の雰囲気
それから、金曜日の夜

私の嫌いなもの
ぎんなんに虫
待ち合わせで人を待つ時間と
濡れたくつ下
それから、日曜日の夜

私の将来の夢
わからない
私のやりたいこと
わからない
私の気持ち
わからない

私は自分を知っている
私は自分がわからない

隔てるもの
高岡第一高等学校1年 米島 菜津美
白くて 厚い壁
その壁に取り囲まれている部屋で
私は一人 ただ一人で
唯一部屋にある 小さな窓から
外を眺める

窓を のぞくと
太陽の光をあびて
生き生きと 咲いている
マーガレットの花が見える
でも
手を伸ばしたとしても その手が
触れることなんて できない

窓を のぞくと
真っ青な大空を
悠々と 飛んでいる
鳥たちが見える
でも
鳥たちに問いかけたとしても
その声が 届くことはない


この壁は決して 私を外に出さない
壁を壊そうとしても 私の力じゃ
壊せるわけなんてない
時には 孤独や不安に
押しつぶされそうになって
叫びたくなる 叫びたくなる
外にいる 誰かに
気付いて ほしくて
でも
聞こえるわけない

今日もあの部屋の あの窓から
外の世界を眺める
部屋から出られるのは
いつかなぁ と思いながら
部屋から 出たときの自分
太陽の光をあびている自分を
想像しながら

日頃の生活
高岡第一高等学校1年 伊藤 駿
悪魔。悪を象徴する超越的存在。
人、みんな、だれしもが恐れている存在である。しかし一般の人は、見たことがないという人の方が多いのではないかと思う。しかし悪魔は人間世界のどこにでもいるのではないだろうか。
 とある学校でふと起こるイジメなどの行為。多数が少数を囲み、精神、身体的に追いつめるという最低な行為だと思う。しかしこれは人間生活の中で特にめずらしいものではなくなっている。それはなぜか。それはきっと全ての人がイジメルという感情を表に出さずとも、持っているからに違いないだろう。違う言い方をするのであれば、人の中には悪魔がいる。といったところだろう。その悪魔は、人と一緒に成長していく。これが一つの怖い所である。おそらくみんなこれがあることに気付いている。でももう、気付いた時には体の一部になっている。人はちょっとしたきっかけによりそれが出てくる生き物だ。
 そんな悪魔をおさえる方法があるのならばだれか教えてほしい。そしてこの世界からイジメを消してほしい。それが僕の願いであり思いである…。

暗がりの少女
高岡第一高等学校1年 村木 優海
ううっ… ヒック、ヒック…
う…っ ぐすっ…

ああ、また泣いている。
あの暗がりに座って、こっちに背を向けて
なにがそんなに悲しいのだろうか…

ねえ、何で泣いているの?
どうしてそんなに泣いてるの?

   。 ぐす…っ…

ああ、また泣いている。
その小さな背中をこちらに向けて
なにを思って泣いてるの?

ねえ、顔見せて?

少女が振り向く。
その瞬間、私の目から涙がこぼれ落ちた。

家族の手
富山県立富山いずみ高等学校2年 野澤 紗良
妹の手
自分の手より小さくてやわらかい手
これからいろんな場面に
立ち向かっていく元気な手であってほしい

母の手
たくさんの傷があり少しシワも増えてきた手
でも、ずっと私を見守り
あたためてくれた優しい手
自分も将来はこのような手になりたい

父の手
強くてがっしりとした手
少し遠くからずっと守ってくれる大きな手
この手があったから
私はいろんなことにチャレンジできた
こんな手を持っている人と出会いたい

それぞれの手が私を支えてくれている
自分も支えれる立場となり
元気をあたえられる手でありたい。