第13回(2016年) 入賞者

ねじめ正一氏選評
 今回もたくさんの応募ありがとう。恋愛詩、日常詩、ラップ詩、幅広く言葉が展開されていて目を見張るものがあった。
 ポエム大賞「ぼくのすきな人」高橋拓未さんの作品は、恋愛詩であるが、恋愛詩のべたべたしたところがまったくない。それは好きな相手の見つめる視線が同時に自分の方に向いていて、自分の書いた詩が客観的に見えているからだ。人を好きになる嬉しさ、辛さも伝わってくる。恋愛詩の中に(物理法則)(二次元的空間)と意表を突いた言葉が、詩のリズムをよくしているし、長い詩であっても、一行たりとも気を抜いていない。
 富山銀行賞「高岡の音」松原凛さんの作品は高岡の町の特徴を音一色で書いているのが面白い。改めて高岡が金属の町であることがよくわかった。高岡の町から聞こえる何気ない日常の音も書かれていると、もっとふくらみのある詩になるだろう。
 小学校の部最優秀賞「いつもの朝」荒井美己都さんの作品は、荒井家の朝の忙しさがきちっと表現されている。ちょっとの差で洗面所を姉さんに取られたり、トイレに入ろうと思ったらパパが車の本を読みながら先に入っていたりする、朝のめまぐるしさがよく書かれている。
 中学の部最優秀賞「プール」片山真之介さんの作品は、水泳部で毎日のように泳いでいる風景を、極めて正確に書いている。「五レーンの五メートルラインの天井には大きなシミがある」この表現には作者だけにしか見えない風景がある
 高校の部最優秀賞「僕の一日」は、一行一行に必ず(せい)という韻が踏まれている。まさしくラップ詩の初登場である。一行目は(反省)ではじまり、一七行目も(反省)で終わっているが、反省という言葉は同じあっても意味が違っている。この詩をラップで声を出して歌うのも聞いてみたい。

ポエム大賞
ぼくのすきな人
千葉県立千葉高等学校1年 高橋 拓未
ぼくにはすきな人がいる
その人の名前は内緒だけれど、とてもすてきな娘だ
性格がいいかどうかはよくわからないが、彼女が笑うとなぜかぼくも笑いたくなる
しかし、彼女が笑うたびに笑っていたのでは妙に馬鹿っぽいというか、あまりにも格好がつかないので我慢している
そのときのぼくは煙草を吸うときの俳優みたいな顔つきをしているつもりだけれど、彼女の目にはどう見えているのだろうか
ほかのくだらない男子たちと違って見えていたのならうれしい
彼女はバスケ部員だ
放課後のぼくはバレー部の友達に会いに行くふりをして、彼女のことを見に行く、毎日
彼女はいつもバッシュを履いて、きゅっきゅっ、きゅっきゅっ、と体育館を駆けている
ポニーテールにした髪が左右に揺れる
髪が左右に揺れる原因が物理法則にあるのなら、物理法則もわるくはないな
彼女のシュートはあまり入らない
しかし、それもぼくにとっては彼女の魅力の一つだ
ときどき、目が合う
ぼくは目をそらさない

目をそらしたら彼女のことを見ていたことがわかってしまうからだ
だからぼくは彼女の所属している二次元的空間を一枚の写真を眺めるようにして、見ていた風を装う
あるときには彼女の近くの一点を指さした
ぼくが見ていたのは君じゃない、君の近くにあるその物体をぼくは見ていたんだよ、とでもいうように
クラスの中には何組かカップルがいるけれど、カップルになるっていうのはどういうことなんだろうか
高校生になってはじめての夏が来る
ぼくは彼女を花火大会に誘おうと思う
最後の花火が終わった後に告白しようと思う
付き合おうよ、なんていう卑怯な言葉じゃなく、きみがすきだと言おうと思う
そうして帰ってくるときには手を繋げていたのなら、うれしいな

富山銀行賞
高岡の音
高岡市立五位中学校3年 松原 凛
アルミの「グツグツ」という音が
窓の「ガシャン」という音になる。

銅の「ゴー」という音が
寺の鐘の「ゴーン」という音になる。

すずの「サー」という音が
鈴の「チャラーン」という音になる。

高岡の金属を扱う人々の静かな声が
高岡の人々の元気のある声になる。

最優秀賞
いつもの朝
高岡市立平米小学校5年 荒井 美己都
朝、おもいっきりふとんをめくってくるのは一番上の姉だ
わたしはおこってすねていた
そしたらいつのまにかねていた
だいぶたってにぎやかだと思い起きた
そしたらもう七時十分
やばいと思いとびおきる
まず顔をあらおうと思ったら
ざんねん一歩おそかった
まん中の姉がはな歌を歌いながらねぐせをなおしている
それならトイレと思ったら
パパが車の本をよみながら入っていった
三分たってもでてこない
しょうがないごはんでもたべるか
今日のごはんはほうれん草と卵のみそしる
やったー大好物いただきます
一番上の姉とまん中の姉もテーブルについた
今日の部活の話しをしている
そしたらようやくパパもテーブルについた
いつもの朝ごはんがはじまる
あーやっぱりトイレしたい
朝の食卓はおちつかない
プール
高岡市立高陵中学校3年 片山 真之介
 いったい何千回このプールに通っただろうか
 いったい何万回この二十五メートルを往復しただろうか
 こんなにたくさん泳いでいるといろんな発見がある
 二レーンのコースロープは四つほど壊れている
 三レーンの床のタイルはなぜか他のコースのタイルよりもきれいに見える
 五レーンの五メートルラインの天井には大きなシミがある
 シャワー室のシャワーを全て一点に集めて占領するバカがいる
 コーチの目を盗んでこっそりサボるやつがいる
 堂々とサボるやつもいる
 練習後に残って自主練習をする努力家もいる
 ストレッチと筋力トレーニングを入念にする真面目な人もいる
 スタート十秒前なのになぜか五秒前と言うやつがいる
 それにひっかかって五秒前で飛び込むやつもいる
 やっぱりこのプールはおもしろい
 これからもいろんな発見があるだろうか


僕の一日
富山県立高岡高等学校2年 杉本 瑛
今朝寝坊して 深く反省
それでも確認 今日の運勢
母の一言 支度せい
学校着くと 問題発生
今日の宿題 未完成
注意された 授業の姿勢
意識をしても 利かぬ修正
化学実験 結果は酸性
テストが返され 発する奇声
思わず疑う 自分の知性
部活で言い合い Don’t say!
帰宅時夜空に 明るい衛星
夕飯前に 気遣う衛生
勉強しない それが惰性
ちょくちょく入る 母の牽制
それでも結局 寝るのが習性
夢の中でも 自分は学生
翌朝寝坊し 深く反省

優秀賞
ねぇ お兄ちゃん
砺波市立鷹栖小学校6年 小竹 萌々花
ねぇ お兄ちゃん
反抗期なんでしょう!?
玄関のドア、バタン!!って大きな音立てて閉めて、
ママが叱っていたよ。
それに大きな28.0センチのシューズと
臭いくつ下ぬぎ捨ててあるって
ママが また怒っていたよ。
そっと閉めて、ポンポンと片付けてしまえばいいのに。
小言が聞きたくてやっているの!?
「おかえりなさい」って言ってほしくてやっているの!?

ねぇ お兄ちゃん
思春期なんでしょう!?
すぐに自分の部屋に入ってしまって
なかなか出てこない。
ママが「おやつ用意したから
一緒に食べよう」って言っているよ。
今日はお姉ちゃんの誕生日だから
みんなでお祝いしようよ。
おなかがすいてないから出てこないの!?
テレくさいから出てこないの!?

ねぇ お兄ちゃん
受験生なんでしょう!?
成績がまた下がったって、ママ心配しているよ。
塾へ行かずに 友達と遊んでいたことも
バレているよ。
でも ママが誉めていたよ。
理科で96点取れたこと おどろいていたよ。
なんで聞こえないふりしているの!?
ごほうび 本当にいらないの!?

ねぇ お兄ちゃん
「優成」っていう名前はね、
「優しく成るように」っていう願いが込めてあるんだって。
知っていたでしょう!?
ママが倒れた時
「米袋より軽いわ…。」
って つぶやきながら布団まで抱きかかえて
そっと寝かせていたもんね。
「大丈夫やから、泣くな。」
って私たちに言ってくれたもんね。
その日はずっとリビングにいて、ママの様子をみていてくれたもんね。
本当は 本当に優しいもんね。

からまった
高岡市立戸出東部小学校5年 川原 彩音
授業が始まった
苦手な算数 分数の問題
今、頭の中で
糸 からまった

窓の外 ながめる
稲刈りのあとの田んぼのわき
じぃちゃんのによくにた車 通った
からまった糸 ほどけはじめた

休み時間だ
友達と女子トークでもりあがる
からまった糸 やっとほどけた

授業が始まった
国語で「詩をつくろう」だって
また、
糸 からまりそう

母さんのうそ
高岡市立五位中学校3年 前田 野乃葉
「炭酸飲んだら骨とける」って
水と牛乳、飲んどった
うそやった
おかげで身長百六十五
「九時までに寝んなん、まんじゅうにされて食われる」って
毎日急いで寝とった
うそやった
おかげで身長百六十五
「テレビ見たら目悪くなる」って
外あそびばっかりしとった
うそやった
おかげで視力一・五
「母さん毎日、ふしぎめがねで会社からあんたを一日中ちゃんと見とるよ」って
うそやった
おかげでさびしくなかったよ
なんや、うそばっかり、って
今思う
そんでも、そん時、そん時
母さんの大まじめに
言う顔思い出し、
クスっとなる
今思う、ありがとうって

「時。」
射水市立大門中学校2年 木倉 里紗子
一方通行の標識、止まることは許されない
くろい クロイ 黒い道を歩み続ける
もうどれだけこうしているのだろうか
知らない シリタクナイ
『ずっとこうしていればいい。』
耳元で開いて消える声 黒い手が掴む
あぁ、身を任せよう。そのうち辿りつく、
「トマレ」の標識に。いつか見える。
『僕がひっぱってあげるよ。』
閉じよう。使わない目なんて。
〝ダメ〟
はじけて彩る。幼い声、小さな小さな光。
〝アキラメチャ、ダメ〟
とたんに色が広がり、周りが鮮明になる。
〝ダイジョウブ ミチハキミノモノダヨ〟
そうだ!なんで、なんで忘れたんだ!!
道は自分で創造し、選択し、歩むもの。
けっして他人に歩まされるものじゃない。
寄り道してもいい。言うじゃないか、
急がばなんとやらと。
納得する「トマレ」に辿りつけるように。

僕はそっと黒い手をほどき、抱き締める。
「君は、君の名は」

洗濯物
高岡第一高等学校2年 鍛治 晃士
部活で疲れた体を動かし
いつものように家に帰る
「ドサッ!」玄関に放るはひどく汚れた洗濯物の山
「…これ、よろしく。」
 母の「先に自分でもみ洗いしてよ!」という言葉に耳を貸さずすぐに自分の部屋に入っていってしまった
 頭の中でたくさんの言い訳が次々と浮かんだ
 だるい・つかれた・ケガした…
 きっとどれを言っても母は納得しないだろう
 夕食を取るため僕は部屋を出て階段を下りた
 何か言われるだろうな面倒臭いなと思いつつ食卓についた
 しかし母は何も言わない
 ただ二人と黙々とご飯を食べた
 次の日、また僕は洗い物を玄関に放ったらかし
 翌日には洗い物はもとの場所にはなかった
 そんな生活を僕は何日も続けた
 そして何週間かたったある日見た母の手は冷たい水でもみ洗いしたせいで赤く痛々しいものとなった
 ついに僕は母に聞く「なんで、そこまでするん?」
 母は洗う手を止めてこう答えた
 「あんたの頑張ることのサポートを出来る限りしてるだけだよ。」
 僕はその場は「そう。」とだけ言って去った
 次の日から僕は自分の洗い物は自分でし始めた
 汚れを落とすために服をもむ一回一回に母の偉大さを感じさせる
 「ふぅ…」ひとつ大きな息を吐き、思う
 「次の母の日は盛大に」

いつも
富山県立富山いずみ高等学校3年 小坂井 育子
いつもの緑に塗られたイス
私はこしかける
「キシッ」という音一つ立て
さあ、筆を握ろう
力強く
さあ、まっさらなものに黒を加えて
私好みに汚れさせて
さあ、ペンを持つ力、さらに強めて
ふと気付いたら、
あら鮮やかなこと
色んな色が入り混じり、
たった一つの私だけの世界
もっと作っていきたいな
もっと広げていきたいな
この先につながる カラフルな世界から

佳作
おうちそうじ
杉並区立杉並第七小学校1年 末﨑 穂乃花
げつようびは おふろそうじ
キュッ キュッ キュッ

かようびは トイレそうじ
シュッ シュッ シュッ

すいようびは ゆかそうじ
ピッカ ピカ

もくようびは まどそうじ
キュッ キュッ キュッ キュッ
ピッカ ピカ

きんようびは せいりせいとん
とんとんとん

どよう にちよう やすませて
あそんで おちゃして
ゆっくりしよう

お金の木
杉並区立杉並第七小学校5年 立川 亮
ぼくはおこづかいが少ない
だからお金がほしいのだ
お金をうめたら
お金の木が生えるかな
一円をうめて
水をやって
ひりょうをやって
次の日を楽しみにして待ってたよ
みんなは信じないだろうけど
一円がいっぱい生えたんだ!
・・・
いらないね
ということで
百をうめたよ
だけど
一円が合計百まい
・・・
いらないね
お金を手に入れる方法は一つしかない
・・・
仕事だ!
あっ
ぼく大人だよ

わたしのかかり
高岡市立平米小学校2年 加納 由宇
玉ねぎとってー
 はい、むきます。
にんじんとってー
 はい、むきます。
サニーレタスとってー
 はい、ながいひらひらだね。
レタスとってー
 はい、丸いの。
マヨネーズとってー
はい、赤いフタのね。
キャベツのせんぎりとってー
 キャベツはうえのだんだね。
えだまめとってー
 なんふくろ?

ピンポーン いらっしゃいませー
おきゃくさんだ。
なんめいさまですかと
おかあさんが言った
わたしもいそがしい
やさいがかり

新しいくつ
高岡市立成美小学校6年 棚田 歩実
 「明日、学校にはいていこう。」
 うれしさに満ちあふれた大きな声をあげた。だって、今日、新しいくつを買ってもらったから。そのくつは、ピンク色の、マジックテープのくつで、水玉模様がついているかわいいくつ。
 「明日、友達に気付いてもらえるといいな。」その期待を胸に、ベッドに入り静かにねた。
 朝になり、私はすっきり目を覚ました。いつもより学校が楽しみだ。
 準備が整い、玄関で、思いっきりとびらを開けた。外は、新しい世界が広がっているみたいで、何だかとっても不思議だった。
 登校中。くつをよごしたくないから水たまりをよいて歩いたり、どろがついているきたない道を、あえてよけて歩いた。
 今日の通学路は、何だかとっても気持ちが良い。その時、太陽の光が、新品のくつに当たり、くつはキラキラとかがやいた。
 しばらくして、友達と合流した。友達は言った。「あれっ。新しいくつにしたんだね。すごくかわいい。」私はうれしくなった。「そうかな。」すると、友達が言った。「いいなぁ。私も新しいくつ欲しいなぁ。」友達はうらやましがった。私はうれしかった。でも、ちょっぴり照れくさかった。
 授業中。先生の話を聞かなくてはいけないのに、新しいくつの事を考えていた。どうしてもあのくつの事が頭からはなれない。ぼんやりこんな事を考えていた。(休み時間は運動場で遊ぼうか。でも、くつをよごしたくないな…。)この時、ふと気付いた。あの新しいくつは、自分にとっても宝物になっているということを…。

ぬいもの
高岡市立平米小学校5年 戸森 綾乃
 今日はぬいものをするきぶん。
 ぬいものをするから目と体をしゃきっとしなくちゃ。
 るんるん
 ぬいものは楽しいな
 るんるん
 いいきぶんになっていると、「ぷすっ」…いつのまにかゆびにはりをさしていた。
 そう思っている間にさしたところから血がうきでてくる。…
「やっちゃった!」どうしようと思っている間に血はどんどんふくれあがっていく。
 そう思っていると、ついに血が布につきそうになっていた。あわててばんそうこうをとりにいこうとすると、いそいでいたのでまちがえてはりをさしたままの布を持ってきてしまった。いそいでもどってはりさしにさそうとしたらまちがえて自分のゆびにさしてしまった。「どーしよう。」急いではりをぬいた、そしたら血がぷくっと出てきた。頭からひやあせが出そうになった。私は思わずさけびそうになった。そう思っていると目がさめた。あれは夢だったんだ。思わず指をみてみた。血がでてない。よかった。さぁ今日こそぬいものをするぞ。夢みたいにならないようきをつけて。

長距離走
高岡市立高陵中学校3年 廣瀨 友香
 スタートラインに足を置く
 胸に手をあて ゴールを見据えた瞬間
 訪れる静寂
 今にもフライングしてしまいそうな心臓の鼓動を落ち着かせ 飛び出した
 前傾姿勢から顔をあげ 近づくゴール
 風を切る髪
 力強く振り下ろす腕が捉えるものは
 何から這い上がれというのだろう
 高く上げた太腿が感じる重圧は
 何を打ち破れというのだろう

 人は何故走る
 この一瞬に全力をかけてまでも

 長い道のりだとわかっていても
 何故走るのだろう

 同じ歩幅 同じペース
 すぐには見えないゴール
 このまま行こう いつもの通りに
 勝負に出ようか 知らない結末
 足の裏に広がる違和感
 血が逆流し世界が赤に染まる感覚
 心の中ではおしゃべりなのに
 は行でしか表せない
 嫌いな汗、乱れる髪
 雨粒だって、向い風だって
 「走るの止めなよ」って誘ってくる
 あきらめるのは簡単だ

 走り続ける

 負けたくない自分に
 走り切ると開く扉の向こう側にいる
 新しい自分と出会うために

大菅和音ができるまで
高岡市立高陵中学校3年 大菅 和音
まず体を用意します。

「男の子にしとこう。」

体のもとがつくられた。

「手のほくろと、でべそも一緒に。」

次に体を用意します。

「まじめ要素を少しと、なまける心を入れておこう。」

「まわりを見る力も入れて。」

「これで完成。」

神様ってやっぱりすごいと思う。
見る目あるよね、神様。
いらない要素沢山だけど、
大菅和音っぽい。
みんな平等なんだな、って思った。

夏休み
高岡市立高岡西部中学校1年 伊藤 慎大
旅行だからって
日本でたくない
コンクールだからって
富山でたくない
部活だからって
家でたくない
朝だからって
ベッドでたくない

練習
高岡市立国吉中学校1年 浅川 詩乃
パーン
シャトルの音
サッ キュッ
シューズの音
他には何も聞こえない
私はプレーに集中する
暑いっ
体じゅうからこれでもかと汗が流れる
ティーシャツが迫り来る波のように濃く染められていく
きついっ

そのとき、
どこからか拍手が聞こえた
雨の音だ
雨が応援してくれた
がんばろう

ピンどめ
高岡市立高岡西部中学校1年 山田 茉央
パチン パチン
すきなおと
おでこが こんにちは
かぜがあたって きもちいい

ちょっぴり
てれくさくて
くすぐったい

わたしからも…
おでこに て をあて
「こんにちは」

まえがみ あげてみた

祭りの日
富山県立志貴野高等学校3年 釣 ふたば
今日はいつもと違う
和服をきて髪を結ってもらった
ピンクや白の花柄
紫やピンクに背すじをのばされている

赤や青、緑、黄、白が映って
空が明るく彩られる

火薬の匂いがふとすると
すこし さみしくなる

一日の終わり
富山県立新湊高等学校3年 小島 葉月
帰り道
少しだけ大きく息を吸う
薫る風が囁いたのは
迫り来る季節の懐かしさ
去り行く季節の名残惜しさ
なんとなく胸が痛んで
何気なく見上げた空
オレンジ色が思ったより眩しくて
細めた目を思わず閉じた
優しく頬を撫でる風に身を委ねながら
過ごしてきた日々の尊さを感じる
一日の終わり

美容師になるお姉ちゃん
富山県立志貴野高等学校1年 本川 紀実
 美容師を目指すお姉ちゃんが
 高校生になる。
 かみをひっぱり ちくちくちく。
 アイロン熱いよ じゅわじゅわじゅわ。
 「何やってるの」とわたわたしながら笑顔になるよ にこにこにこ

 美容師目指すお姉ちゃんが
 美容師になる。
 かみを編み込み あみあみあみ
 かみをまきます くるくるくる
 いつの間にやらうまくなり、すこしさみしい もわもわもわ
 だけれど「らしくなったねお姉ちゃん」
 心は ほかほか にこにこにこ。

炊飯器
富山県立高岡西高等学校2年 柿埜 光洋
僕は炊飯器
今日の朝この家に来た
僕はまだまだ新米だ

あっ、お母さんが来た
釜さんが連れてかれた
待ってよー!

釜さんが戻ってきた
お米さんもいっしょだね
お母さんが水を釜さんの中に!
ああ、釜さんが冷たそう!

釜さんが僕のお腹に戻り
お母さんはスイッチを入れてった
じわじわー
ん、なんだか熱くなってきた

あつあつあつあつ!
あちちちち!
僕のお腹はまるで火事!

ひいひい、ふうふう
みんながんばれ!
釜さんとお米さんたちの声
よーし、僕もがんばろう!

ピーピーピー
やっと終わった
ふー熱かった

お母さんが戻って来て
ご飯よー、と呼んでいる
子供たちとお父さんがやってきた

僕のお腹が開けられて
ゆげがもわもわ出るに出る!
お米さんたち、ふっかふか!

お米さんたちはすくわれて
茶わんの中へ直行だ

みんなの合唱、いただきまーす!
お父さんとお母さんの話し声
子供たちはうれしそう

ご飯が終わって
釜さんはまた洗われて
僕のお腹に戻ってく

明日もまたがんばろう!
釜さんの声に僕も
がんばろう!

明日もみんなの笑顔が見たいなあ
そんなことを考えながら
僕はすやすや眠りへと…

紙の上
富山県立富山いずみ高等学校3年 鈴木 晴奈
書いてはじまる 物語
描いてはじまる 夢の世界
消してはじまる 真実の模様

書いて消して 消して描いて
世界が何度も 繰り返される
ああ、ちがう
それはわたしのかんちがい
書いたら物語は
泣いたり笑ったりするし
描いたら夢の世界は
赤くなったり青くなったりするし
消したら真実の模様は
ゆるりと変化する

書いて消して 消して描く間に
時は流れて  音はテンポをきざむのだ
世界は何度も 移り変わる
私の、手のひらの中でくるくると
ああ、ちがう
それもわたしのかんちがい

書いて描いて消すだけじゃあない
切ったり折り曲げたりして
この手でひゅっと、飛ばすんだ
世界の向こう側へ

奨励賞
「はい♪」と「もう!」と「ねぇ」
高岡市立東五位小学校4年 吉田 啓人
ぼくのお母さんは、言い方がいつも3つに変わる

最初はやさしく「はい♪」から始まる
次はちょっとこわく「もう!」から始まる
最後はお願いになって「ねぇ」から始まる

朝なら
「はい♪早くしよう」「もう!早くしられ!」「ねぇ、早くして~」
ごはんの時なら
「はい♪食べよう」「もう!食べられ!」「ねぇ、食べて~」
宿題の時は
「はい♪宿題しよう」「もう!宿題しられ!」「ねぇ、宿題して~」
寝る時は
「はい♪寝よう」「もう!寝られ!」「ねぇ、寝て~」

いつもこのパターンだから
「はい♪」か「もう!」か「ねぇ」だけでも、わかるようになってしまった

ポテチの木
砺波市立庄川小学校5年 式部 悠仁
おかしの街に
ポテチ木がある
ポテチの木には、ポテチがなる
ある日、コンソメ君がやってきて
うすしお君もやってきて
のりしお君もやってきて
三人でランランラン、ランランラン
すると、ライバルのチップスターがやって来て
そしてチップスターとポテチの戦いだ
そしてケンカがおわるとおばけの森に入ってる
こわくてこわくてこわすぎて
二人はどんどんくっついて
森を出ればなぜかなぜかの仲直り

肉の木
砺波市立庄川小学校5年 雨池 祐希
肉の森に
肉子ちゃんが
歩いていると
肉太ろう君がやってきて
肉子ちゃんが肉肉マンをよんで
肉子ちゃんのとりあいが始まり
大肉げんかがスタートすると
肉太ろうがあきらめて
肉肉マンが勝ちとって
よろこんでいると
肉肉犬がやってきて
肉肉マンを食べちゃって
肉肉にくい肉子ちゃん

宝石の木
砺波市立庄川小学校5年 伊東 拓海
ある町の
右側に
宝石の木があった
宝石の木には
ダイヤやエメラルドがなり
光がさすと宝石がひかる
宝石の木にお金もちが集まる
1人のお金もちがゆらす
すると重い宝石がおちた
宝石がおちると地下までいった
思いが重いお金もち10人が地下までいく
宝石をとるとのぼれなくなっちゃった

一週間
高岡市立成美小学校6年 才田 直人
 ぼくの一週間は、とてもいそがしい
 休める時もあるけどすることがある時はとってもいそがしい
 月曜日は、一週間のはじまり
 月曜日は、みんな同じだと思うけど起きるのがいやだ
 だけどお母さんにむりやりふとんをもっていかれる
 学校がおわってもすぐに習い事がある
 習い事がおわってもすぐにバスケットの練習がある
 その練習がおわったらやっと月曜日がおわる
 火曜日は、わりと楽だ
 火曜日は、学校だけしかないけどやっぱり起きるのがいやだ
 がんばって起きて学校に行く
 学校は、すぐにおわる気がする
 次は、水曜日だ
 ぼくは、水曜日が好きだ
 なぜなら休み時間がほかの曜日よりも多いからだ
 だからいっぱい遊べる
 木曜日は、とってもつかれる
 月曜日と同じことをするんだけど月曜日よりもつかれる
 だって一週間のおわりのほうだから…
 金曜日は、バスケットの練習
 学校がおわるとなにかを食べて、バスケットをしに行くおわるとねる
 土曜日と日曜日は、つかれる
 土曜日は、1時からバスケットの練習
 月曜日や木曜日よりも時間が長い
 日曜日は、試合があったり家族ですごしたりする
 けっこう大変だけどやっぱり楽しいこともいっぱいあるからがんばれる
 ぼくにとっての楽しみは、日曜日に家族で出かけることだ
 ぼくは、みんなで出かけるためにがんばる
 そうして一週間がおわり
 また新しい一週間が始まる

射水市立大門中学校2年 道古 草太
夏はセミの声だ
夏はトマトの味だ
夏は海と空の青さだ
夏は蚊取り線香の匂いだ
夏は流れ落ちる汗の感触だ

僕は夏が嫌いだ
圧倒的で、油断も隙もない
夏の真っ直ぐさが苦手だ

それでも 夏はやってきて
気がつくと楽しんでいるのだから
夏は不思議だ

あめ玉
高岡市立高岡西部中学校1年 伊藤 夏希
おばあちゃんはこう言った

あめ玉には 心 がある

 しょっぱい  すっぱい

 あまい    にがい

おばあちゃんはこう言った

あめ玉のようになりなさい

 どんなときでも
 自分の気持ちを伝えなさい

あめ玉には心がある

笑顔の食卓 ~魔法のお水~
高岡市立高岡西部中学校1年 柳原 誉
いつもは無愛想で
無口な父さんが
お酒を一杯飲んだなら
笑顔になって上機嫌
いつもガミガミ母さんが
ワインを一杯飲んだなら
にっこり笑顔であら不思議
大人になったら飲むのかな
僕もいつかは飲むのかな
いつか笑顔で飲んでみたい

独唱
作新学院中等部1年 水島 知周
しずかな夜を あかるくしようと
君はないている
雨の中
君はゲコゲコないている
えんぴつの走る音を
君の声がじゃまをしている

ひとりぼっちが さびしいと
思っているかもしれないけど
君はひとりじゃないさ
よそへいけば友達がいるし
ぼくは君を知っているよ

雨がふった次の夜
ぼくの耳は君をさがすけれど
もうえんぴつの音しか聞こえない
夜空の星は
今ごろ君がどこかで笑っていると
ささやいている

えだ豆
滑川市立滑川中学校1年 藤重 朋楓
僕たち一応仲良し
三兄弟
一つのさやに
ゴロゴロと
一応仲良くやっている
あっ!
兄ちゃん食べられた
あっ!
弟食べられた
一人でいると
広いなー
僕たち一応
三兄弟
一応仲良し

課題におわれる日々
富山県立高岡西高等学校1年 竹内 健太
 夏休み、楽しいこともあるけれど、やっぱりあるのが夏の課題。
 「今日やろう」と思うけど、やるきのおきない夏の課題。
 夏祭り、お化け屋しきに、部活動、いろいろあった夏休み。
 遊んでばかりの夏休み、そんな時間ももう終わる。
 「ミーン、ミーン」
 今日も聞こえるセミの声。
 「早く課題やりなさい」
 今日も聞こえる母の声。
 時間はどんどん進むけど、課題はぜんぜん進まない。
 今年も課題におわれる日々。
 夏と課題、どちらが先に終わるかな。

何にでもなれる
富山県立富山いずみ高等学校2年 辰巳 京香
私が土になったなら
踏まれる痛みを感じよう

私が蚊になったなら
憧れの人の血を吸おう

私が木になったなら
あの人の人生を見届けよう

私が雲になったなら
砂漠に雨を降らせよう

私が神になったなら
馬鹿な戦争を終わらせよう

私が昨日の私になったなら
あの子に素直に謝ろう

私は進む
富山県立志貴野高等学校1年 高木 月
私は進む
なにげない風景を見ながら
なにげない道を
自分のテンポで
一人 私は進む

私は進む
友達といっしょに
教室で授業を受けて
自分の頭で理解する
一人 私は進む

私は進む
殺風景な光景に
真っ白な階段を上る
振り返れば さまざまな過去が
階段を色どらせる
それは、赤だったり 青だったり
黄色だったり、緑だったり
白や黒のときもある


ただ ただ 進んできた私
でもその足痕は
人生の階段に しっかりと
きざまれている

だから 私はまた進む
真っ白で 殺風景な光景を
色どるために
一人 私は進む

白秋
富山県立志貴野高等学校1年 嶋田 優雅
秋が来るということ
季節の節目が来たということ
見える世界が変わるということ
山の色が変わるということ
見えるもの美しく見えるということ
次第に涼しくなってくるということ
それは生きているということ

秋が来るということ
木の実が実るということ
食べものがおいしくなるということ
イネが大きく実るということ
魚が大きくなるということ
水がおいしくなるということ
それは人間の食欲だということ

秋が来るということ
今も地球が廻っているということ
今も海が波をたてているということ
今も雲が大空を舞っているということ
今も大地が呼吸しているということ
今も時が刻まれているということ
今も人々が生きているということ

秋が来るということ
喜びが生まれるということ
怒りが生まれるということ
悲しみが生まれるということ
笑顔が生まれるということ

すべては悠久の時を経てつくられているということ

砂時計
高岡第一高等学校2年 阿部 知果
 サラサラサラ
 砂が時を刻む
 砂の流れを見ていると
 砂が止まる時 時も止まるかと思う
 ストップ
 止まってほしいのはいつ?

 サラサラサラ
 砂が時を刻む
 砂の流れを見ていると
 砂を逆さ向けると 時も過去に戻るかと思う
 リバース
 戻ってほしいのはいつ?

 何も考えず ひたすら公園をかけめぐっていたあの頃?
 夢中になって踊っていたあの頃?
 楽しかったあの頃?
 悔いが残るあの頃?

 今この時までの時間の積み重ねが
 今の私を作っている
 止まらなくていい
 戻らなくていい

 サラサラサラ
 これからも砂は落ち続ける
 時は流れる
 一粒一粒の砂に思いをこめて
 私も時を刻んでいく