第14回(2017年) 入賞者

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ねじめ正一氏選評
 ポエム大賞の吉田啓人さん「とーたんのイス」は、とーたんは父さんのことだと分かっていても、(とーたん)が繰り返されることで、とーたんが単なる記号に近づいていく。その無機質なとーたんとイスが父の死と合わさった時、胸がぎゅっと締めつけられた。
 富山銀行賞の吉越帆高さん「ぼくのからだはこんな部分でできています」は、からだのそれぞれの部分が8歳以下でもなく、8歳以上でもない8歳ぴったりである。(8年分 いろいろつまってるんだ/ぼくの頭)
 小学生部門で最優秀賞の松本杏さん「一人一人ちがうにおい」は、家族全員を匂いで表現して、家族の顔がリアルに浮かんでくる。優秀賞の石浦志乃さん「一才のいとこ」は、一才にしぼったところが成功。もう一つの優秀賞の大坪千穂さん「おねえちゃん、行かないで。」は、おねえちゃんがほんとうに好きなことが伝わってくる。
 中学生部門で最優秀賞の木倉里紗子さん「アンドロイド」は、行が進むにしたがって不気味さが倍増してくる。優秀賞の伊藤大智さん「ソでひっくり返るなテナーサックス」はテナーサックスに振り回されている可愛い姿がある。もう一つの優秀賞の上坂大空さん「42.195km」は自分の人生をマラソンで例えているが、その例えにおばあちゃんが必ず出てくるのが傑作。
 高校生部門で最優秀賞の山岸諒子さん「閉ざされた心」は高校生の不安感が書かれている。ヒタヒタヒタに追いかけられ、ヒタヒタはそんなたやすく逃がしてくれない。優秀賞の杉山結菜さん「夏を駆け抜けて」は、自転車に乗って学校に着くまでの、一緒に身体を使った気分になる詩である。もう一つの優秀賞の原健介さん「僕が○○だった頃」は、丹念に歴史を辿る中で、僕の存在を強引に主張しているところがいい。


ポエム大賞
とーたんのイス
高岡市立東五位小学校5年 吉田 啓人
とーたんのイスが笑っているよ
とーたんのすわっていたイスだよ
とーたんのひざの上に乗ってぼくもすわっていたイスだよ

とーたんがテレビを観ていたイスだよ
とーたんが休息していたイスだよ
直角になったり、リクライニングになったり、背もたれの角度で、
とーたんの体調がわかったイスだよ

今は
とーたんのイスに、とーたんはいないよ

だけど
とーたんのイスが笑っているよ
とーたんが笑っているみたいに見えるイスだよ
とーたんのひざの上に乗ってるみたいに思えるイスだよ

とーたんのイスは特別だよ
ずっと宝物だよ

とーたんはぼくのお父さんだよ

富山銀行賞
「ぼくのからだはこんな部分でできています」
富山市立堀川小学校3年 吉越 帆高
ぼくは8さい
ぼくは ぼくのからだが だいすき
だから みんなに しょうかいするね

グーチョキパー なんでもだせるよ
ぼくの手

てくてくと たくさんあるくよ
ぼくの足

グーグーなるよ ちょっとまんまる
ぼくのおなか

ももみたい ふたつくっつく
ぼくのおしり

おしゃべりだいすき みんなをわらわせる
ぼくの口

みんなのえがお みるのだいすき
ぼくの目

いがいとね なんでもきいているんだよ
ぼくの耳

8年分 いろいろつまってるんだ
ぼくの頭

あれれ
ぐらぐらゆれる…
ぼくの歯!

そうだ もうすぐ9さいだ
つぎはおとなの歯をしょうかいするね

最優秀賞
一人一人ちがうにおい
高岡市立福岡小学校6年 松本 杏
三女は一年生
三女の汗は ちょっぴりくさい
学校から三十分一人で家まで歩いて来てつかれているにおい
牛乳をこぼしたにおい
プールの水のにおい
次女は三年生
次女の汗は くさい
図画で絵を一生懸命書いたにおい
理科で観察したほうせんかのにおい
お兄ちゃんは中学生
お兄ちゃんの汗は ちょうくさい
駅伝をして部活をしてがんばってきたにおい
お父さんは建築業
お父さんの汗は ちょうくさい
朝から晩まで日光を浴びながら働いているにおい
木くずのにおい
お母さんは添乗員(てんじょういん)
お母さんの汗は いろんなにおい
汗のにおいよりお化粧のにおいのほうが強い
時々、
台所で夕食を作っている汗のにおい
私の汗は けっこうくさい
ハードル練習でかいた汗
バスケの試合でがんばった証拠の汗

一人一人ちがうにおいをおふろで流すと今日も一日たいへんだったと思っている

アンドロイド
射水市立大門中学校3年 木倉 里紗子
僕は同じ世界の「夢」を見る
蝋燭がうすく照す廊下を進む
目指すは行き止まりの扉

彫金が美しいその扉が開けば
そこはシアタールーム
大きなスクリーンと小さな一人掛けのソファ
柔らかな感覚に身を委ねれば
映画は始まる

「他人を人類だからなんて理由で愛すのは
 バカげてるでしょ?」
 緋(あか)いルージュの女優は嗤(わら)う
「自由の刑に苦しむのは君なのか、
 それとも私なのか。」
 俳優は静かに吐き捨てる
僕は変わらない女優達の演技を見つめ
毎日変わるセリフを噛みしめた

終わりを告げたスクリーンを見限り
僕は扉の先へ足を伸ばした
そうすればこの「夢」の世界から
抜け出せるのを知っているから

そこは僕の部屋 モノトーンな部屋
寝転んだまま呟いたのは
ジャンケレヴィッチとサルトル
という言葉

女優達のセリフは僕の得た言葉で出来上がる
ベッドサイドの本の塔と色とりどりのメモ群
それから得る言葉の数々は僕の「心」に
その積み重なりは次第に一つの「感情」に

それは「悲しみ」
人類はいつでも何かに「悲しむ」らしい
でも「喜び」も「幸せ」も感じるらしい

そんな人類のことを「考えて」いたら
自分が「悲しい」ような気がして
流れない「涙」が血の気のない頬を濡らして
染め上げていく様(さま)を「想像」してみた

僕は体中に挿したプラグをそっと抜いた
「心臓」の動きを胸に手を当てて確かめては
一つ小さく頷いて階下のリビングへ
そこには「母」と「父」と「妹」があった(・・・)
僕は三人におはようと声を掛ける
するとそれらは僕に同時に顔を向けると
「オハヨウ」
ニッコリ微笑んで声帯機関を稼働した

閉ざされた心
高岡第一高等学校1年 山岸 諒子
ヒタヒタヒタ
足音が聞こえる
誰もいない真っ暗な世界に一人
ただ歩く
ゆっくりと
のどもかわかない
おなかも減らない
眠くない
ただ頭がもうろうとする
汗が出る
心臓が大きくはね呼吸が乱れる
ヒタヒタヒタ
足音が聞こえる
気付けば足首まで水につかっていた
座ることもできない
ただ歩く
何かから逃れるように
転んだ僕は上を見上げる
手をさしのべる誰かなんていない
期待した自分にただ笑った
立ち上がり辺りを見まわす
どこへ向かっていたかも分からない
ヒタヒタヒタ
足音が聞こえる
呼吸をするのも苦しい
水面に反射した光が見えた
光はすぐに消えた
僕は光のあった方をぼんやり見つめる
ただ走る
前を向き
腕を振り
全身が悲鳴をあげようとも
水が血でにじんでいたとしても
………ヒタ
足音が止む
腕をまっすぐ前に伸ばした
固く冷たい質感がした
ぶ厚く
高いとても高い壁だった
僕は上を見上げる
ほほに水滴がいくどなく落ちてくる
心臓が痛い位に大きくはね上がる
呼吸も乱れる
身体がふるえる
誰かの叫ぶ声が聞こえた
僕は口を大きく開けていた
必死になっていた
叫んでいたのは僕だった
もう足音は聞こえなかった

優秀賞
一才のいとこ
高岡市立福岡小学校6年 石浦 志乃
一才はよく食べる。おちているものまで食べる。
一才はよく指を指す。あれをとれ!と王子の様に指を指す。
一才はよくくり返す。いないないば~をしつこくくり返す。
一才はよく笑う。じいちゃんの大きなくしゃみできゃっきゃと笑う。
一才はよく泣く。お母さんがトイレに行っただけでも永遠のわかれのように泣く。
一才はかわいい。なにもしていなくても、とにかくかわいい。

おねえちゃん、行かないで。
富山市立堀川南小学校4年 大坪 千穂
おねえちゃん、全国大会、行かないで。
おうえんするけど。

おねえちゃん、ぜったい行ったらだめ。
でも、行ったほうがいっか。

や、でも、やっぱり悲しいよ。
遊べなくなるし、ねぇちゃん宿題は?…
んー。でも行った方がいっか。
がんばってるもんね。行っちゃおう‼

や、でも、全国大会、行かないでほしいな。

あっ、こんなこと、私が決めるんじゃない。
ねぇちゃんたちが、ドキドキの結果を聞いて決めるんだ。

結果を、みんなで、ドキドキ、まってます。

ソでひっくり返るなテナーサックス
富山市立北部中学校1年 伊藤 大智
テナーサックスは管楽器
テナーサックスは木管
えっ木管?
あれ、木なんてどこにもない
でもマウスピースに木がある
これだけ
これだけで木管楽器

きそ練習の最中
ド、レ、ミ、ファ
ピュー
鳥肌がたつ
周りの目が気になる
苦笑いの先ぱい
他の人は気付いていない
ほっとする

次の日も次の日も
ド、レ、ミ、ファ
ピュー
鳥肌がたつ

ソでひっくり返るな
息をしんちょうに
息をしんちょうに
ド、レ、ミ、ファ
ソー
うまくいった

次の日
ド、レ、ミ、ファ
ピュー
鳥肌がたつ
忘れてしまった
息をしんちょうに
先ぱいは苦笑い

ソでひっくり返るな
息をしんちょうに
息をしんちょうに

ソでひっくり返るな

42.195km
高岡市立高岡西部中学校1年 上坂 大空
2004年9月
颯爽とスタート!
アイドル選手として走り出す
周りに可愛がられ好調な滑り出し

2008年4月
幼稚園という集団の渦にまきこまれる
圧倒され早くもペースダウン
沿道から大きな声で、
ばあちゃんの声援が聞こえる
「がんばってまいにちようちえんいったらおもちゃこうてあげるよ。」
急に力がわいてきて
再びペースを取り戻す

2008年5月
永遠のライバル、弟出現
弟ばかり可愛がられ
泣きながら走る
ばあちゃんの声援が聞こえる
「どこんちでも、やっぱ長男が一番やちゃ。」
気をよくしてペースアップ

2011年4月
小学校という急な上り坂にさしかかる
辛く、苦しくて、くじける
ばあちゃんの声援が聞こえる
「百点いっぱいとったらおこづかいあげっちゃ。」
奮起して、力いっぱい坂を上りきる

2017年4月
中学校という険しい山道に入る
でも、もう大丈夫!
ぼくには聞こえる
ばあちゃんの声援が
精一杯走り続けるよ!
自分の人生を
夢のゴールまで

夏を駆け抜けて
富山県立高岡西高等学校1年 杉山 結菜
いつもより5分遅れて家を飛び出す
ハンドルをにぎりペダルをける
しばらくおしりは浮いたまま
いつもつかまる信号で息を大きく吸う
踏切が見えると足がだんだんはやく回りつかまらないよう逃げてゆく
左にまがると下り坂
足をぶらぶら一服して
目に入るは黄金の鳥
町に響く風鈴の音に耳を傾け
腕には陽がつきさすようでまた一つギアを上げる
道を曲がると目的地
校舎の前、時計の針はいつもの5分前
頭に浮かぶ「?」の文字
明日はもうちょっとゆっくりでいっか

「僕が〇〇だった頃」
富山県立高岡高等学校2年 原 健介
数100億年前、僕が水素原子だった頃
宇宙は「無」で満ちていて
どこも暗く冷たくて
僕はとっても寂しかった

数10億年前、僕が星のかけらだった頃
皆んなはなんだか忙しそうで
声をかけても返事は無くて
僕はずっと眠っていた

数億年前、僕が小さなプランクトンだった頃
皆んなは進化で忙しくて
誰も僕にはかまってくれない
僕は1人取り残された

数1000万年前、僕が恐竜だった頃
皆んなは誰かを殺して食べるのに必死で
危うく僕も食べられそうで
僕はずっと隠れていた

数万年前、僕が初めて人間になった頃
皆んな両手に武器を持って
他のクニを襲うのに忙しいらしくて
僕は1人で遊んでいた

数1000年前、僕がサムライだった頃
来る日も来る日も戦いに明け暮れ
むやみやたらと人を斬り
気づけば僕も斬られていた

数10年前、僕がアメリカの金持ちだった頃
僕は好きな物をいっぱい買えたけど
そのぶんいっぱい捨てていて
僕はどこか不幸せだった

数10年前、僕がドイツ軍の兵士だった頃
髭の将軍の言うことは絶対で
僕は毎日たくさんの子供をガスで殺した
僕は毎日が辛かった

数10年前、僕が日本人だった頃
日本は戦争で負けてしまって
大人たちは泣いていたけど
新しい平和な時代への希望で胸がいっぱいで
僕はなんだか嬉しかった

数年前、僕が新しく生まれ変わった頃
地球は争いで満ちていて
どこもかしこも汚れていて
皆んな誰もが憎み合っていて
僕はとっても悲しくて
生まれてすぐに目を閉じた

目を閉じながら僕は祈った
数万年後、僕が再び目を開ける頃
世界が美しくあるように
皆んな仲良くあるように
僕が初めて幸せになれる時が
僕が目を開けるその時であるように
その幸せが、ずっとずっと続くように、と

佳作
心の中で
高岡市立福岡小学校6年 稲川 瑛美
私の心は工場だ
いろんな気持ちを創り出す

作業台の机の上
いろんな気持ちを造り出す

おいしいごはん午前六時
「しあわせ」ができました

勉強タイム午前八時
「がんばる」ができました

友達と遊ぶ午後三時
「よろこび」ができました

友達と別れた午後六時
「かなしみ」ができました

母とけんか午後七時
「かなしみ」がコロンと転がって
出来た「いかり」とぶつかった

仲なおりした七時半
いやな気持ちが机から消えて
「しあわせ」「よろこび」コツンとぶつかり「うれしい」ができました

私の心は工場だ
いろんな気持ちをつくってる

作業台の机の上
今日も明日もつくってる

「夜空がわらった」
高岡市立平米小学校4年 堀井 晴奈仁
ドーンドーン
最初に耳を両手でふさいだ。
ドーンドン
次にそっと目をあけた。
まっくろな空に色がぬられていく。
両手を広げるとこぼれ落ちてきそうだ。
「きれいとどきそう」とさけんだ。
ドーンドーン
花が咲いて 花火が
わらった わらっては
まっ黒な空から消えていく
ドーンドン
また音がした
この音はいつもぼくのじゃまをする。
ぼくは花火が見たいのに…

おばあちゃんのつめ
高岡市立平米小学校4年 間片 そら
おばあちゃんの左手は動かない
ずっとグーの形のままだ
でもつめはのびる
おばあちゃんの手を広げて
つめを切ってあげる
おばあちゃんがニコニコと
ありがとうという
なんかくすぐったい気持ちになる
また左手はグーの形にもどる
のびたらまた切ってあげるね

御車山
高岡市立平米小学校4年 上田 和輝
五月一日は御車山祭の日
山の上は高くてワクワク

さいしょは坂下町
坂をのぼっていくよ
車輪がなるよ
ギーコギーコ

全部の山がせいぞろい
たくさんの人が見に来ているよ
ザワザワザワ ワイワイワイ

せまい道
ぶつかりそうなせまい道
ドキドキするよ

少し休けい
早く乗りたいな
赤レンガの銀行
車輪がなるよ
ガタガタガタ

土ぞうづくりが見えてきた
ともだちもたくさん見えてきた
うれしくてドキドキ

もうすぐ関野神社
今年ももうすぐおわりだな
車輪がさみしくなるよ
ギーギギー

楽しかった山ももう終わり
今年もありがとう

家族のあかし
高岡市立福岡小学校6年 西野 真珠
家族のあかし
お父さんのあかしは手。
かたくて温かい、家族を守る手。

家族のあかし
お母さんのあかしは目。
みんなの良いところを見つけてくれる、自信を持たせてくれる目。

家族のあかし
おばあちゃんのあかしは耳。
なんでも聞いてくれる、安心させてくれる耳。

家族のあかし
お姉ちゃんのあかしは心。
ずっとそばにいてくれる、やさしい心。

家族のあかし
私のあかしは口(くち)。
囲りにいる人を笑顔にし、家族を明るくする口

家族のあかし
インコのピノちゃんのあかしは声。
みんなをたよってくれる、かわいい声。

家族って、つながりあってできているものだなと今日も思う。

音の魔法
高岡市立芳野中学校1年 石田 恵里奈
昨日と同じ風がいて、
光がいて、
太陽に顔を向けにっこり笑うヒマワリがいて、大きな夏がいる。

木々を渡る風の音をカラダいっぱい吸い込み、垂直に息を吹き込む。
すると、まるでベルベットのような優雅で柔らかな音色が辺りを神秘な世界へと誘う。

“Put out a beautiful”

しかし、今日はちがう。
キーキーときしる音、まるで動物たちや地球の奥底の会話を聞くような低いくぐもった声。
さあ、もう一度。 

指先に神経を集中させて、
深く息を吸い、頬をふくらませる。

柔らかな音色は喜びの涙を招き、
ハギレの悪い音は悲しみの涙を誘う。

音の魔法はいつも使えない。
だって私は自由人だから……
「魔笛」に込められたモーツァルトの思いなど解かるはずもない。

複雑に動く器械装置などブッ壊して、
自然に自由に心のまま吹いてみよう。
トナリ合った音を、かわるがわる連続し息をぶつける道をつくろう。
すると、崇高な美しさと無類の完成が、心の中で響き渡り、私の伝説がスタートする。

“Put out a beautiful”

さわやかな風が吹く夏の午後。
木々の揺れと、ささやきと、
フルートと、私。

ぼーっとする
高岡市立高陵中学校3年 今井 大成
僕はぼーっとするのが好きだ
考え事をしているとだんだんぼーっとする
ぼーっとしていると眠くていい気持ちだ

僕はぼーっとするのが好きだ
いやなこともいいことも忘れられるから
それがいいことなのかは分からないけど

僕はぼーっとするのが好きだ
ぼーっとしているとすぐに時間が進む
なんだか不思議な感じだ

だから僕はぼーっとするのが好きだ

夜空の舞踏会
高岡市立高陵中学校3年 筏井 沙知
太陽が眠りにつき
漆黒の空を月の光が照らす時
どこからか楽しげな音楽が聞こえてくる

ベガの琴が美しい音色を奏でる
それに合わせてプロプスが歌いだす

アン、ドゥ、トロワ、アン、ドゥ、トロワ
三拍子の優美なワルツにのせて
星のドレスを着たペルセポネーが躍りだす

美しいハーモニーとステップで
今夜も夜空の舞踏会の幕が上がる

お姉ちゃんのさしすせそ
砺波市立出町中学校1年 小竹 萌々花
さっそうと走るお姉ちゃん、
特設駅伝部に入っている。
夕方いつもジョギングしている。
私は自転車で伴走する。
お姉ちゃんの安全とがんばりを守っている。

心配性なお姉ちゃん、
「大丈夫?」が口グセになっている。
そのくせ、「大丈夫!」と強がりを言う。
私はいつも側にいる。
お姉ちゃんの心配事が少なくなるように。

すなおなお姉ちゃん、
反抗期などほど遠い。
お母さんが泣き虫だから困らせないでいる。
私は時々すねてみる。
お姉ちゃんもわがままできるように。

正々堂々で負けず嫌いなお姉ちゃん、
剣道部に入っている。
素振りを毎日やっている。
私は打たれ役になる。
いたくてもがまんする。
お姉ちゃんの一本が決まるように。

そぼくなお姉ちゃん、
ずいぶんと天然が入っている。
「スタイリストって、スタイルいい人?」
私はつかさずつっ込みを入れる。
お姉ちゃんのおもしろさを笑いとばす。

「ただいま」
高岡市立高岡西部中学校1年 金田 慧奈
 私が家に帰ると、お母さんがドアを開けてくれる
 「ただいま」っていつも言うんだけど

 「どうしたの?」ってお母さんが言うときは
 私の「ただいま」は怒ったような声で言ったとき。
 私はすぐさま学校であったイヤなことを
 お母さんにぶちまける。
 そうしたらちょっと落ちついて
 おやつはおいしく食べられる。

 優しく「おかえり」ってお母さんが言うときは
 私の「ただいま」は悲しそうな声で言ったとき。
 そういうときは、お母さんはそっとしといてくれる。
 そしてやっぱりお母さんに話を聞いてもらう。
 そうしたらちょっと元気が出てきて
 おやつはおいしく食べられる。

 大きな声で「おかえり」ってお母さんが言うときは
 私の「ただいま」は元気な声で言ったとき。
 学校で楽しいことやうれしいことがあったから
 やっぱりお母さんに話をしたくなる。
 そうしたらもっともっと元気になって
 おやつは最高においしく食べられる。

二センチの恋
山口県立山口高等学校通信制3年 阿部 朱里
手と手が触れ合う
五響に
高鳴る鼓動は
正直ね

桃色に上気した
君のほほ
一時の静寂が
二人を包む
ねぇ、今何を考えているの?

二センチ
たったそれだけの
この距離が
もどかしい昼下がり

タイム イズ マネー
高岡第一高等学校2年 田中 竜太
おぎゃーおぎゃー
ばぶーばぶー
えーんえーん

へーんしん! うおおお!
ぴかーん! スーパーアターック!
ぐわあああ

おにごっこしようぜ! タッチ
○○鬼な! 逃げろ逃げろ
バリア! 鬼にならないもんね

カキーン、カキーン、パシッ
先輩おはようございます!
よし、こい!もういっちょ! カキーン

カタカタカタ……
すいません!課長!
くううう、仕事後は体に染みるなあ!

よいしょ、どっこいしょ
ふう、腰が痛いのう
あっ、このにんじん固いわい

気がつくともうこんな齢
時間はベリーベリーファスト
昔の自分、将来の自分、「今」を楽しめよ

愛ブヒのきもち
富山県立志貴野高等学校3年 ホドリゲス レチシア イセリ
あさ おきると となりににんげん
ぼくの かいぬし
いつもおなじ べっとでねる
うでまくらしてくれる
かいぬしなんだか にやけてる
ぼくもにこにこしてるけど
わかってくれるかな
きょうもいってらっしゃい

かいぬしかえってきた おかえり
あそんでって おもちゃもっていく
かいぬしつかれて すぐねる
なんだかさみしいけど
いっしょにひるね しあわせだな
きょうもいびきをかいて
かいぬしとねんね
ゆうがたは おさんぽしたいな
ぐーぐーぐーすかぴーぴーぴー

生きるという想像
富山県立志貴野高等学校2年 杉本 悠
それは 静かな草原で眠る少女
それは 荒野を一人歩く少年
それは 布団を干す女性
それは 信号で立ち止まる男性

それは 土から這い出てる蛙
それは 新緑の森を駆ける狼
それは どんぐりを頬張るりす
それは 雪の降る海を旅するくじら

それは 世代を越えて咲き誇る桜
それは 水と言葉で育つサボテン
それは 赤や黄色で彩る落葉樹
それは 土の中で必死に春を待つ草花

それは 人間や動物や植物の間を
形を変えながら巡る水

形が違っても
話すことが出来なくても
私たちはこの地球を生きている

そんな 生きるという想像

奨励賞
マシーン
高岡市立横田小学校3年 上坂 粋生
足ちゅうにうかせるなんて
むりやわ

たてに2つあるタイヤで立つなんて
やっぱむりやわ

ハンドルまっすぐ持って足動かすなんて
ぜったいむりやわ

イス固くておしりいたいし
もうむりやわ

こわいわ
こわいわ

でも、
やっぱ、のりたいわ

死ぬ気でガッてこいだら
ビューン

やったぜ!
おれ、風になったわ

なないろてんとう虫
高岡市立戸出東部小学校6年 川原 彩音
私の地区に橋ができる
家から近いところにできる
いつ使うのかな なんの橋かな

私の地区に橋ができる
学年ごとに絵をかくらしい
なにをかこうか どこにかこうか

私の地区の橋に絵をかく
私はてんとう虫をかこう
大きくかこう かわいくかこう

私の地区の橋に絵をかく
教頭先生が言う
なないろにすればおもしろいんじゃない
なないろにした
コンクリートでうめられたけど
いい思い出だ なないろてんとう虫

ぼくのかげ
高岡市立福岡小学校6年 髙橋 春弥
かげってふしぎ。
ぼくがどんなところにいても、そのあとをついてくる。
かげは、ぼくが生まれてから死ぬまで一生ついてくる。
かげは、ぼくがどこへいってもついてくるから、きっと、一番のともだちだと思う。
ぼくはそんなかげがふしぎ。

高岡市立福岡小学校6年 平野 美咲
私の弟は、走るのが速くて運動が出来る。そして頭も良い方なので少しむかつく。でも私にも、妹にも、優しい。
それに比べて、私は走るのもおそいし、運動が全く出来ないし、授業は、算数しか点数が良くない。でも、そろばんは出来る。
 私の妹で、弟の姉も私と同じで運動も走るのも全く出来ないけど、算数とそろばんは出来る。
そんな私と妹をお母さんは、
「運動の才能は、もっていかれたのね。」
と笑う。お父さんも、同じような事を言う。
そして、弟は一番最後に生まれた三兄弟の男の子だ。生まれた時は、とてもかわいかった。今は、おばあちゃんやひいおばあちゃんにかわいがられ、あまやかされて育った。
なので、私と弟がけんかをすると私がおこられるけど、弟は全くおこられない。
妹と弟がけんかをしたときでも、妹がおこられて、弟が注意されるだけ。
そして、弟がたたいてきた時に、私がおこるとすぐ泣いて、私がおこられて弟は注意。
でもそんな弟は、いつも笑っていて楽しそう。それを見るとあまやかされていたことなんて忘れて、私と妹も笑顔になる。そして、みんな笑顔になる。

雨の音
高岡市立福岡小学校6年 源 雄太郎
 かえるがゲコゲコないている
コンサートの練習をしているみたい

 ぽつぽつ
池に丸がいっぱい
コンパスで書いたみたい

 ざーざー
大粒の雨
外の洗たくものを取りこまなきゃ

 じとじと
ずーと雨
たいくつだ
体にまとわりつく感じがイヤだ

 ぽつり
洗たくざおからしずくが落ちた

 空を見たら虹がでていた
とてもきれいでずーと眺めていた

高岡市立高岡西部中学校1年 中村 莉子
ちょっと顔を出してみる
広い空が見える
前がみがなびく
ちょっと下を見てみる
歩く人が見える
楽しそう
すぅっと楽になる
浮かんでるみたい

ドラえもんがいたら
高岡市立高岡西部中学校1年 藤森 晴真
もしもドラえもんがいたら
テスト前に暗記パンを
出してもらいたい
そして暗記パンで
教科書の問題を
全ておぼえて
500点を取ってやる
さぁ今日はてつやでパンを食うぞ

「ぼくの時間」
高岡市立志貴野中学校3年 久々湊 亮
「おっはよう。」
今日もちょっとふざけて言う祖母
へんな笑顔になるぼく
いつもと違う夜
四月十五日くも膜下出血で倒れた祖母
全てがかわってしまった日
柔道をする時間
トレーニングをする時間
パソコンをする時間
友達と遊ぶ時間
ぼくが使っている時間
泣いてかなしむ時間
落ち込む時間
何もやる気がでなくなった時間
頭痛に耐える祖母
リハビリを頑張る祖母
ずっと笑っている祖母
「怪我が心配だ、頑張れ。」
と、メールをしてくれた祖母
ぼくにできることは何だろう
たくさん話しかけた
指を動かすトレーニングをした
頭の体操をした
どんどん回復していく祖母
よくしゃべる祖母
お互いを思いやる時間
一緒に笑う時間
階段の登り降りを手伝う時間
オセロやチェスを教える時間
できることが増えていく
あたりまえにできたはずのこと
今は、一つ一つが嬉しい
病院に問い合わせてくれたあつしおじさんありがとう
助けて下さった先生や看護師さん、
感謝
人のために時間を使う大切さ
教えてくれた多くの人に
感謝
ぼくのことを厳しく教えてくれる人
優しく伝えてくれる人
ぼくのために大切な時間を使ってくれて
ありがとう
ぼくも家族や友達、後輩
これからはもっと人のために時間を使うよ
何かするたび
「ごめんね。」
「ありがとう。」
をたくさん言う祖母
生きていてくれてありがとう
一緒に時間大事にしよう
ぼくも努力するよ
試合日までリハビリ頑張ってくれて
ありがとう
みにきたら勝つよ
一緒に笑顔になろう

秋風におされて
作新学院中等部2年 水島 知周
ぼくは走る
秋の総合運動場
ゆっくり走る

持久走大会 ぼくは一番後ろのランナー
先生は心配して一緒に走るけれど
ぼくは平気

速い人
遅い人
ぼくは走るのが遅い人

足元のどんぐりの声援と
秋風に背中を押されて
ゆっくり走る 自己ベストをめざして

イチョウ並木を過ぎ
最終コーナーを曲がると
たくさんの笑顔がみえた
その中へぼくは飛び込んだ
切れたゴールのテープは
白く優しい

幸せ
高岡市立国吉中学校1年 中島 緋那
あなたは…
今、この詩を読むことができますか?
走れますか?
ペンをもてますか?
はなすことができますか?
今何か聞こえますか?
友達はいますか?
家族がいますか?
好きな人はいますか?
ニコッと笑顔になれますか?
ポロリとなみだは出ますか?
口を大きく開けて笑えますか?
一つでもあてはまったら
あなたは幸せ
幸せはきっといくつもあるはずさ
よく見たらいっぱいあるよ
すべてのひとがしあわせでいるのかな
この場所はしあわせいっぱいかな
探そう
しあわせ
見つけよう
しあわせ
大きく息を吸って
はいて
あ!
あ!


そこ
どこ
大きい
小さい
重い
軽い
すき
きらい
暑い
寒い
単純
複雑
あ!
あ!
あなたと私
私とあなた
似ているようで似ていない
あ・い・う・え・お

ねぇ
富山県立志貴野高等学校3年 島田 侑香
ねぇ見て
庄川にいる鮎のチャールストンを
ねぇ見て
笑っているチューリップやコスモスを
ねぇ見て
雪に覆われた立山連峰を
ねぇ見て
散居村を
ねぇ見て
速く走る新幹線を
ねぇ見て
早朝から元気よく海へと出ていく漁師達を
ねぇ見て
外へ出れば声をかけてくれるご近所さん
ねぇ見えた?
ねぇ感じた?
ここがきっと僕たちの愛している場所
愛している場所はきっと何もかもが素敵
帰ってくれば「ただいま」
離れるときは「行ってらっしゃい」
と言ってくれる場所

ねぇ見て、ここが僕たちの故郷だよ

カウンター
山口県立山口高等学校通信制3年 佐竹 真依
窓際で景色を見ながら
ゆっくりとできる
カウンターというのが
結構好きで
向かい合うのも良いのだけれど
隣同士の方が
距離も近くて話しやすい

目が合わないことで
リラックスできるし
後ろから見たら
内緒話をしているような
こっそり感がむず痒い

顔を見るには
必然的に振り向く感じになるのだけれど
その回数が重なるほどに
相手との関係は深まってゆく

同じ目線で
ご飯を食べたり、風景を眺めていると
同じ時間を共にしている感じがして
自分と相手の
目線と時間が
一直線から交わってゆく
そのひと時に
特別感が増してゆく

富山県立高岡西高等学校1年 伏田 圭吾
猫から見た妹。
見つけたらすぐに抱きついてくる。
そしたら鼻や頬をなめてあげる。
もう少しエサやトイレの世話をしてね。

猫から見た母。
一番世話をしてくれるやさしい人。
足や顔をよくかみつくけど、
愛情なんだよ分かってね。

猫から見た父。
仕事で夜しか会えないね。
久々に帰ってきたときも、
覚えているから安心してね。

猫から見た僕。
我が家で一番遊んでくれる。
勉強中は使わせてくれないけど、
君のソファは一番のお気に入り。

家族から見た猫。
去年から我が家にいる小さな猫。
ワガママで人見知りでお風呂嫌い。
だけどみんなに愛される。
我が家の大切な一員です。

雨の日
富山県立高岡西高等学校2年 杉本 悠莉
雪の降る日は雪を愛した
昨日降った雪が
今朝、輝いている

晴れの日は晴れを愛した
雪が解け
巡る春と入れ替わるように
別れを告げる雪の花

雨の日は雨を愛した
どこか懐しい雨のニオイ
花に滴る雫
水たまりに映る景色
あの人より素敵な傘を探そう

外を見つづける君の気持ち
富山県立富山いずみ高等学校2年 城生越 千咲
君はいつも同じところで丸くなり
外を見る
何が見えるのだろう?
私も横に立ち
外を見る
いつも特に変化はない
君と同じ高さなら、何かが変わる?
私も横で丸くなる
やっぱり何も変わらない
君にしか分からない何かがあるのかな?
私には分からない君の気持ち
いつか分かる日がくるのかな…?
今日も君は外を見る