第2回(2005年) 入賞者

佳作
榎亮太朗 (新保小 1年)
藤島早紀 (平米小 5年)
梶涼羽 (平米小 2年)
村中竜也 (平米小 2年)
冨田桃花 (平米小 1年)
長田謙吾 (志貴野中 2年)
宮腰希望 (牧野中 3年)
岸本佳奈 (射北中 2年)
吉田美寿季 (奈古中 2年)
安田福美 (奈古中 2年)
高瀬勇介 (高岡養護高 3年)
浅野菜央 (高岡南高 1年)
曽田優 (高岡南高 1年)
能手玲子 (小杉高 3年)
山田祥子 (高岡高 1年)
奨励賞
中沢紬 (富山大附小 2年)
荒屋佳奈子 (平米小 4年)
港貴栄子 (平米小 3年)
森田康明 (平米小 3年)
川端里佳 (平米小 3年)
高山慶一郎 (作道小 5年)
伊藤顕太郎 (作道小 5年)
北野晶子 (塚原小 5年)
川本祐智 (南星中 3年)
金森千春 (高岡西部中 2年)
谷畑実花 (氷見北部中 3年)
塚田諒子 (富山大附中 2年)
若林沙織 (城山中 2年)
五十嵐彩那 (大泉中 1年)
伊井菜摘 (水橋高 3年)
片原和也 (高岡高 2年)
岡謙吾 (高岡高 2年)
大坪薫 (高岡南高 1年)
宮下晴彦 (志貴野高 2年)
ねじめ正一氏選評
素直な気持ち詩につづって
 「高岡山町筋土蔵造りフェスタ」の関連イベントとして、このほど「第二回高岡・山町ポエム大賞」の表彰式が富山銀行本店(高岡市守山町)であり、選者を務めた詩人で直木賞作家のねじめ正一さんが「詩の力」をテーマに、詩作の魅力などについて語った。北日本新聞社などでつくる実行委員会主催。
 ねじめさんが詩を書き始めたのは中学二年のとき。担任の先生に「おまえは詩人になれる」と言われ、書いてみようと思ったのがきっかけだったという。
 テーマとして思い付いたのが、小学生のころから乾物屋の息子として店番をしている自分。グレーのユニホームを着せられて店番をしている自分は、大人でも子どもでもない「宙ぶらりん」な状態に思え、それを詩にすることにした。
 「宙ぶらりん」という言葉が出てきたことで、「自分を客観的に見られるようになった」とねじめさん。詩を書いて「もうちょっと(店番を)やってみようか」と思い、一カ月ぐらいたつとまた、嫌な気分が戻ってくる。そして詩を書くとまた「やってみよう」と思う。その繰り返しだったという。
 「言葉というのは自分を救ってくれるものだ」。言葉は自分の気持ちを明確にしてくれるもので、言葉が正確に自分の思いに当てはまったときがたまらないという。「詩を続けていると、言葉が濃く、激しくなってくる。その積み重ねで詩が深まってくるのだ」と説明し、「いい子にならなくていいので、素直な気持ちを詩につづってほしい」と呼び掛けた。
ポエム大賞
噂オニ
高岡市南星中学校2年 畑 めぐみ
突然 アノ噂はやってきた。
私のところへやってきた。
『二〇〇五年七月七日を迎える真夜中のちょうど十二時、三面鏡の前に立ちなさい。そしてアノ呪文を唱えながらそっと中央の鏡に触れること。その瞬間から鏡の中の自分と入れ替わり思いのままの生活を送れる』
らしいと。
突然やってきたアノ噂
どこからともなくやってきて
日毎に噂オニになっていく。
アノ噂 アノ呪文
アノ呪文 アノ噂…
ついに私の心にも住みついて
ますます噂オニになっていく。
アノ噂 アノ呪文
アノ呪文 アノ噂…
そして
二〇〇五年七月七日ちょうど十二時を迎えようと、している
期待と戸惑いの時間
三面鏡の前に私は立った
無限大に拡がる鏡の中のワタシたち
思いのままの生活っていったい何だろう
戸惑いながら首をかしげる私に
三面鏡で無限大に拡がるワタシたちが
さらに戸惑いを隠せず戸惑っている
でも 思いのままってきっと楽しいはず
私が幸せそうに笑いかけると
三面鏡で無限大に拡がるワタシたちが
もっとシアワセそうに笑いかけてくる
チリ…ン
窓辺にかけてある玉虫色の風鈴が
突然 私に叫ぶように鳴り響く
「早く気付いて。自分の力で生きていくことが大事だよ。本当の自分探しはこれからなんだから」
『ニヤリ』
三面鏡の中のワタシが不気味に笑った?
ように見えた瞬間―スルリ―と一瞬
私の身体が鏡の中のワタシが入れ替わる?
ように感じた。
これで私はワタシになった。
思いのままの生活が送れる…
思いのままの生活が送れる…
口から この言葉が繰り返される
それは、つぶやきから確かな言葉となり
鏡に映るものすべてが逆位置で証明できた。
でも こんなのは嫌。自分の力で夢をみつけたい。自分自身の力で生きていく
もうアノ噂 アノ呪文には頼らない
もうアノ呪文 アノ噂には頼らない
それが自分の人生なんだから―スルリ―
また一瞬でワタシが私に戻った。
そして アノ日から アノ噂は消え
私の心からもワタシの存在が消えていった。
ただ一つ最近になって気付いたことがある。
私の口元のホクロがいつしか逆位置にある。
それは、私だけしか知らない、でもなぜ?
私はワタシ? それとも噂オニの悪戯?

富山銀行賞
土ぞうづくりの家としゃちほこ
高岡市平米小学校3年 塩崎 伊規子
わたしの家は、土ぞうづくりです。
お父さん、おじいちゃんが生まれたじだいより、もっと昔からできている黒い家です。やねの上のほうに、シャチホコがついています。しゃちほこも黒の色です。それからわたしの家より昔からできている土ぞうづくりの家の菅野さんの家です。わたしは、あそべる日ならあそびます。土ぞうづくりには、なぜしゃちほこがついているの。しゃちほこは、しゃちの形のほこどめだけれど、どうして、しゃちの形なの。どうせなら、うぐいすでもいいんじゃないかな。もしかしたら昔の家だからしゃちにしたのかな。そしたら刀にしてもいいんじゃないかな。そしたら細すぎて、ほこどめにならないのかな。やっぱりしゃちほこは、しゃちの形が一番いいね。でもそしたらタイでもいいんじゃないかな。でもひらべったいからさかだちは、できないね。やっぱりしゃちの形が一番いいね。

最優秀賞
「かくれんぼ」
富山市堀川南小学校3年 源田 茉由
わたしの心で かくれんぼ
おじゃま虫たちが かくれんぼ

なまけ忍者に なき虫メソちゃん
おこりん坊に あまえん坊
まだまだ たくさん かくれてる

どこから来たの?
いつまでいるの?
どのおじゃま虫も 知らん顔

おにになって 出てきては
わたしを困らせるのは やめてよね
もう少しだけ 遊ばせてあげるけど
いつまでもいいよってわけには
いかないよ

わたしが 大人になる前に
どこか遠くに とんでって
心の中から いなくなれ

夏越しの月夜中
富山市速星中学校3年 五十嵐 みき
十三夜月の月影は 僕の心を躍らせる
無性にびわが食べたくなって
外套(がいとう)を手に 月夜の下に繰り出した

今年はびわの当り年
知らぬ間に たわわに実った枇杷の実を
ぷさりと無造作に一つもいでみる
つられて枝もついてきて 月夜にうかぶびわの木が
うらめしそうに僕を見る
僕はぺこりと頭を下げて そそくさとそこを立ち去った

そのまま部屋には戻りたくなくて
枇杷枝片手に空地へ向かう
酔狂な人間は僕だけじゃなくて
ぐみ枝を持つ先客は
うらめしそうに十三夜月を 星座表で隠してた
隣に座って尋ねたら
彼はにくにくしげに呟いた
『今日こそは って来てみても
この月の所為(せい)でアルクトゥルスが見えやしない』
「アルクトゥルスはついでかい?」
『いいや… お前は?』
「君の嫌いな月を見に」
『枇杷持って?』「そっちこそ」
『これは夜食だ』「枝ごと?」
『面倒なんだよ ちまちま獲るのは
…なぁ ぐみ九びわ一で交換しないか?』
「えらく君に不利じゃないか」
『いいんだよ 月似のそいつを食ったら
 あの忌々しい月がどうにかなるような気がするんだ』
「いいよ別に びわはもう一つあるし
 それに 君に食べられても月は消えない」
『お前さ 詩人じゃないな』
僕は彼の話を聞き流し はさり ふつりとぐみを捥(も)ぐ
筒ガラスのような朱い実を
いっぺんに口に入れたら ほほがゆるんだ
「何時も生っているのに気付かなくて
 今年も鳥に」
『へぇ… うちのびわはハズレ年』
それから二言三言話してから ふと思ったことを口に出す
「アルクトゥルスは橙(だいだい)色で びわが一
 うしかい座の星は十で ぐみは九」
あっ と彼は気が付いた
『お、お前… そのびわ食うなよ!』
「悪いけど これを食べるために出歩いてきたんだ
引き下がるわけにはいかないな」
『じゃあ ぐみを諦めろ』「全部吐き出せと? ふふっ」
僕らの不毛な争いを十三夜月は 眺めてた

路傍の友
高岡南高校1年 中村 有孝
見慣れた路がそこにある
友情固く
いつもそこにいる
変化も見せずに
いつも冷たい表情をしている

私の友は私が会う度に表情を変える
風に体を揺らし笑ったり
背が伸びたと自慢気な顔をする
コンクリートの上に立つ私に
いつも違う表情を見せる

水無月の頃
私の友は表情を消す
生き生きした緑の姿が
黄色くなり
地面に横たわるのを見る私に
何の表情もない顔が向く

私は友を失ったのだろうか
何も語らない友の友情は
冷たい路の表情に重なっている
私は友をまたいで行く
表情なき友に対し
私はそれしかできない

夕日を目の前にしての帰り道
日の眩しさに
下を向いて歩く
その目の前に現れたのは
表情のない友の間から私を見上げる姿
小さくなったが
路傍の友であった

優秀賞
めだまやき
高岡市平米小学校1年 平川 将司
めだまやき
きいろのめがいっこで
こわいよ

めだまやき
たべると
ちょっとまずいな

あまいから
ぼくは
ちょっとずつたべる

つぎのあさ
また
めだまやきがあたった
だけど
ちがうめだまやきだ

めだまやきをやいて
ひっくりかえそうとした
そのとたんに
やけどをした

やけどをしたけど
おいしい
おいしい
めだまやきになったよ

ハッハッハッハックショーン!!
富山市水橋西部小学校4年 渡辺 瑛美那
私のくしゃみはいつでるの?
ハックション ハックション
寒い時にハックション
鼻がむずむずハックション
ハッハッハッハッがまんがまん
ハッハッハッハッがまんがまん
花粉症でハックション
もうハッむりハッがまん
ハッできななな、ハックション
でちゃった。
でも、スッキリししし?ハックション
んん?いつ止まるんだ?

ハッハッハッハックショーン!!

別れ
高岡西部中学校2年 宮田 舞
梢杪(こずえ)が風に揺れます
月の光の中で、しずくが落ちました

桜が散りました
枝葉が別れを惜しんで
小さくそよぎました
水面に浮かんだ朝露が
綺麗(きれい)な鏡を波立たせました

声に出さなかった言葉を
届けることはできたでしょうか
精一杯振った手は
最後に空を切りました

声が響きます
虹の七色の一つに
その日の空が仲間入りしました
雨雲が寄ってきて、やがて雨になりました

目に映るのは、面影と思い出でした
それは鮮やかな光となって
朝を連れてきました
それは始まりです

雨はやみ、空がくっきりと姿を見せました
濡れた草花は、陽光を浴びるために
ゆっくりと頭を上げました

夜が、明けました

たくさんの雨水と陽光を浴びて
花は咲きました
以前と変わらずに
たった一つ変わったことは
淡い色をしていたことでしょうか

花弁にしずくが落ちました

それは過去ではありません
しかし、今でもありません
心の中に凍てついていた
花は枯れていきました
涙がこぼれました

土の中から芽が出ます
それは、あるいは
始まりでした

それが別れです
再び会うこともあるでしょう
儚(はかな)い色の中に
過去が映りました
空を切った手は
また何かをつかんでいます
それは、出会いです

葉のざわめきが落ち着きました
水面は静かに今をたたえています

雲の旅
高岡西部中学校2年 片山 陽

明け方の光とともに
姿を現す雲
今日も雲の長い長い旅が
始まろうとしている
南の方からの風にのって
ゆっくりとゆっくりと
ぷかぷかとどこまでもはてしなく飛んでゆく
しかしときには
悲しみの涙を大地にこぼすことがある
ときには
怒りの雷を落とすことがある
ときには
さびしさの氷を投げることもある
雲はいろいろな形だ
日本列島が横にかたむいたような雲
「ワンワン」とほえている犬のような雲
チーズが縦にびよーんと伸びたような雲
そして雲はその形を
ちょっとずつちょっとずつ変えながら
まだ見ぬ世界へと
自由に飛んでゆく
やがて空は
だんだんと
こがね色に染まってきて
雲も空と一緒に
こがね色に染まる
まだ白い雲から
もう暗闇に混じってしまいそうな雲まで
すばらしく
美しい
一日の終わりをつげる夕焼け
そして次第に
空は
暗い暗い
暗闇の夜の空へと変わり
雲はまたまた
空と一緒に姿を変える
夜の
満月の
かすかな光に照らされる雲
それは地味で
美しくもない
だが
かすかに動いている
かすかに飛んでいる
そう
雲の旅に終わりはない
何かを求める旅人のように
永遠にどこまでも
はてしなく
旅を続ける

友達
高岡南高校1年 河合 美紀子
朝自転車に乗りながら
友達のことを考える
今日は何話そう
何も話すことないや
授業中
友達のことを考える
次何話そう
何も話すことないや
夜歯をみがきながら
友達のことを考える
明日は何話そう
何も話すことないや
オムライス食べたい
あーそれ言えとるね
数学わけわからんし
あーそれ言えとるね
毎日がむし暑い
毎日が息苦しい
あーそれ言えとるねと
言って欲しい

いろはれんが
小杉高校2年 肥田 こずえ
色は匂へど きこえはしない
ろうそく ぽっと 火を灯し
はさみを
にぎって 髪を切る
放棄したものを 今更に
屁理屈ばかりを考えて
とつとつと呟いた 黒髪

地上では
離別を別離とくりかえし
ぬまの底のような夜が手招き
るいるいと積み上げられた 無意味の塔
をばな 野辺にはまだ咲かぬ

ワルツを如何と 誘うのは
枯れた声と 朽葉のくちびる
よる夜中 浅き夢見し あさがおと
単純な
連想ゲームのその中で
そらんじたのは いろはうた

つまれたままの スイカズラ
ねこがめぅめぅ
鳴きわめき
落花 ビードロ 百日紅
むかしのはなしは 今日終えて

浮き雲 散り散り 常ならむ
居待ち月には寄りそえず
のぼったままの そのすがた
おもて向きだけ おきれいで
くるったように詠うのも
やはり散りぬる おかしなうたで
まほらの国から聞こえくる

けがれた吐息でごまかして
振られ 揺られて 空蝉が
こらえたうたは おぼれた鯉の
えんにちが がやがや
手のひらを透かす太陽は西の彼方

あしたが来るまえ 時計は止まる
詐欺に遭い
きざみこまれた わだち
ゆきずりの人は見ないふり
目かちがうたうと皆黙る
ミシンの音と縫ううたと
しびれを切らした 月寄る夜中

酔った虎の目 なぜ漏れる
ひかれた日付変更線
桃は水蜜 ひとかじり
世辞も ランプも うたったうたも
すべての終わりはこの一字