第22回(2025年) 入賞者

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ねじめ正一氏選評
 今回のポエム大賞の応募作は本質をぎゅっと掴む、思いっきりのいい作品が多かった。ポエム大賞「豆州やまきち」の石川野雅さんの詩は考え抜いた言葉で明確に伝えている。うかつに言葉を書いていない。相手との距離をとっている。用心深い。表現にとって用心深さは大切なことである。書きながら自分の書きたいものをじっくり見つけている。
 富山銀行賞「小さなおねがい」の福島百々果さんの詩はかわいい。自分の名前にこだわっている。「ももか」という名前が好きなんだ。これって小さなお願いじゃなくて立派なお願いである。中学のお姉ちゃんも百々果さんを応援していた。
 小学生の部最優秀賞「かぼちゃ」の青山栞奈さんは、お母さんに内緒でカボチャの種をまいたのに、お母さんが庭のカボチャの芽に気付いたのがよかった。さすがお母さんである。ちゃんと見ている。カボチャの芽を踏まないように毎日がんばったシーンも作品に厚みを増していたし、庭の様子も目に浮かんできた。カボチャは取れたのかな。食べたのかな。美味しかったのかな。
 中学生の部最優秀賞「祖母の畑」の坂本孝仁さんの詩は、気持ちが行き届いている。おじいちゃんの畑仕事をきちっとよく見ている。正確に見ている。おじいちゃんがこの詩を読んだら、心から喜んでくれると思う。
 高校生の部最優秀賞「涙の行方」の坂井十和子さんの詩は難解そうに見えるが、よく読んでみると、ユーモアもあってどんどん引っ張りこまれる。言葉に力がある。作品は涙にこだわっている。「ガサツに厚塗りされた」「澄んだ中身は残っていない」といった言葉の引き際もよくわかっている。
ポエム大賞・北日本新聞社賞
豆州やまきち

つくば開成高等学校静岡校2年 石川 野雅
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
旅路の疲れを癒す熱海の風
帰りの新幹線に急がされて
母の声に背中押されながらも
お土産の選択に心踊らせてた

エスカレーターの先で出会った
豆州やまきちの賑やかな声の中
料理好きの友と祖母の笑顔を思い浮かべ
どんな品を選べばええんやろうと
悩んではみた
人見知りの私が絞り出した勇気で
美味しそうな干物をみながら
問いかけた
「矯正履歴、まだ残ってるんかな?」って

元美容学生の想いが心に響いたのか
「そう、傷んでるからさ、地毛に
戻してる途中なのよ、結構伸びたでしょ」
美しいカールに惚れた私

勇気を出して声かけた
「思いきって切っちゃえば?」
その言葉が心に届く
一瞬の笑顔が返ってきた

切った髪が軽くなり
新しい風を感じる瞬間
もし会えたら伝えたい
あの日の言葉が力になったかって

決して一瞬の出会いでもなかった
その小さな優しさの火が彼女を包み込み
もし新しい自分を選んでくれてるなら
それは私にとっても最高の贈り物
富山銀行賞
小さなおねがい

小牧市立小牧原小学校1年 福島 百々果
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
ねえ、きいてくれるかな
でも、いやかな?
ちょっとした
ちいさなことなんだけど
わたしおねがいがあるの

みんなは
わたしを
ももちゃん
ってよんでくれるでしょ

でもね
わたしは、ほんとうは
ときどきでいいから
ほんのときどきでいいから
ももかちゃんって
よんでほしいの

小さいおねえちゃん
でも
大きいいもうとでもない
ももが大すきで
ももいろもすきな
ももだけど
わたしのももは
ちがうの
おはなしを
じょうずにきける
ももでもないの
たくさんたくさんのもも
ひゃくがふたつの
よくばりこよしな
ももなんです
わたしはまんなかのももかです
ももちゃんもうれしいけど
ときどきでいいから
みんなももかちゃん
とか
ももかさんとか
よんでみてくれないかな

よんでほしくなるのって
やっぱりへんかな
とはおもうけど
でもね
これからも
どうぞももかを
どうぞ
よろしく
ももかのおねがいです
小学生の部・最優秀賞
かぼちゃ

ノートルダム学院小学校4年 青山 栞奈
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
冬にスーパーで買ったかぼちゃ。
ジャリジャリと歩くと音がする庭に出て、お母さんに内緒で種をあちこちまいてみた。
毎日、水をあげて、芽が出ますようにとお祈りをした。
春のある日、双葉の芽がひょっこりとあちこちに出た。
お母さんがびっくりして、「何か出てるよ!。」と言った。
ぐんぐん芽が伸びて、葉っぱが増えた。
梅雨には、つぼみもできた。
ぱっと黄色い花も咲いた。
でも、不思議だな。
ひまわりと同じ色の花なのに、かぼちゃのつるはへびのように伸びる。
あちこちに広がりながら大きくなっている。
ふまないように、庭に出て水をあげるのが大変だ。
実が出来たら、天ぷらにしようかな。
煮つけやサラダもいいな。
ワクワクしながら、今日も水をあげている
中学生の部・最優秀賞
祖父の畑

美馬市立江原中学校1年 坂本 孝仁
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
 ほれ と差し出す
みごとなキュウリ
日照り続きの この夏も
祖父は忘れず 持ってくる

 家の裏の畑では
炎天下でも
 草むしり
 水やり
 堆肥作り

 八十越えても
 休まずに

 やすみない
 むりせられん
 声をかけても
 やすまない

 空調服を贈っても
 あんまり着ないで
 すぐ畑

 私は私でとろこいの
 紫外線に弱すぎて
 昼間は完全防備でも
 調子が悪くなりますよ

 だから
 日の出前から
 日の入り後から
 種を拾って木の実を集め
 少しの手伝いをしています

 祖父が植えた桃の木は
 十六年で身をつけた
 枇杷の木は雷で折れ
 しゃあない しゃあない
 しゃあないのう

気落ちもしないで
畑仕事

 柿に
 胡桃に
 さくらんぼ
 ヤマモモ
 すだちに
 柚
 きんかん

祖父の手は止まらない
季節をつなぐ
命の手入れ
高校生の部・最優秀賞
涙の行方

芝浦工業大学柏高等学校2年 坂井 十和子
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
『泣きたい気持ち』だけが宛もなく空回る
身体の内がむず痒い
そんなことがよくあった
それはきっと栓が固く結ばれていたせいで
たぶん、雫が枯れていたわけではない
目の奥の奥
後頭部に近い辺りで涙が渦巻く

心臓が急に重くなってざわつく
それは渦巻いた涙が飛び散って落ちたから
何にも逆らえずに落ちた
止まることを知らずに散った
そのまま心臓に吸われて、染みて
涙を含んだ心臓が
どんどん どんどん
重くなる
激しさを増す拍動に指先で教わった
心臓を縛る血液がどうにか支えているのだと

純粋な感情
寂しい 悲しい そういう雫が
この目に この頬に
乗ってくれない
乗せようとすればするほど雑音が増えて
演じた涙が溢れゆく
ガサツに厚塗りされた感情に
澄んだ中身は残っていない

荒くなる酸素
私はきっと泣いている
泣いていると信じている
“お前は希薄な奴だ”
そう嘲笑う雫の口を塞ぎたくて
滲まない世界を暗闇に放った

心臓をつままれた
干からびるはずの雫が熱を帯びていく
じりじりとした冷や汗が止まらない
身体全体が後ろに引き裂かれる感覚
涙に溺れた心臓が奇妙に踊る
やがてあれほど反芻した活字でさえ
上手く入ってこなくなる
花鳥風月の歌が
濁流になって 文字を拐って
心臓の内から掻き乱していった

焦燥感に似た何かに押されて
視界を開く
雫がこの背を突いていた
届かぬ場所を払うように手帖に向かう
雫が涙になって 背から剥がれて
言葉に溶けて 刻まれていく
指先の勢いが、緩やかに 止まる
引き裂かれそうになった身は
文字と言葉で繋がれて
少しの爽快感で濡れていた

影を象った手元には 今も
消えない涙の跡が焼き付いている
小学生の部・優秀賞
星からの軌跡

小平市立小平第六小学校5年 加納 理奈
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
梅雨が明けると
今まで見えなかった星が見えた
毎日曇っていた
毎日雨が降っていた
そんな梅雨が明けた時
夜でもないのに星が見えた

いつも寝るのが早いから
星がよく見える夜もみなかった
見れなかった
見たかったけど

それが昼に現れるなんて
まるで私の心を見透かしたように
星を見せてくれた
私の心を晴らしてくれた

私に奇跡が訪れたのかもしれない
神様が見ていたのかもしれない
そんなことは
今でも信じられないけれど

その星を見てから
生活がなんだか変わった
みんなに話しかけられたり
嫌われていた友達とも仲良くなったり
何でも挑戦できたり
緊張しないで発表できたり
なんか
輝いてる気がした

それって
きっと
あの日の星が私を輝かせてくれたんだよね
おかしなおかしなたかおかし

氷見市立比美乃江小学校2年 竹添 左右加
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
おかしを買いに
さかをのぼってだがしやに行ったら
おかしやさんが歌っていた
「おかしなおかしなたかおかし
 だいぶつがぶつかった
 どうぶつえんがえーんえーん
 まんよう、がまんよー
 わらったらまけよ あっぷっぷ~」
わたしはぜったいわらわないように
がまんしたんだけど
おかしやさんがとってもおかしなかおをして
べっこうあめもラムネもおかしな音をだして
5円チョコもイカもおかしな声で
ほう石すくいもおかしなおどりをするから
わたしもおかしくておかしくてわらった
わらったらもっとおかしくなって
おかしもかかしもみんなでわらった
おかしなおかしなたかおかし
わたしはチョコをちょこっとかって
だいぶつに雨がつぶつぶついていたから
さかをかささしてかえった
中学生の部・優秀賞
学校での日常

高岡市立南星中学校1年 前田 絢音
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
学校ではほとんどがいつもこうだ
学校はあまり好きじゃない。好きになれない
友達もいて、好きな部活もある。好きな教科や得意な教科だってある。給食もおいしく、クラスメイトも優しい人たちばかり
だけど、好きなことなどには本気で取り組む
その時はじゃまなかみでもほかの授業のときは役に立つ
下を向いたら、自然に落ちてくる
友達に聞いてみたけれど相手からはほとんど何も見えないらしい
自分視点では世界は黒いカーテン(かみ)でうす暗くはなるけれどしっかり周りを見わたせる
だから、いやになったら下を向けばいいし、つかれたら下を向いて少し休めばいい
だがこの黒いカーテンには一つ弱点がある
暗くなるから眠くなるということ
いつも早く寝ない自分のせいもあるけどやっぱりいつも眠くなる
しかもなぜか寝たらすぐバレる
それもほぼクラス全員に
授業が終わったらクラスメイトから「授業中寝てなかった~?」「となりの男子とかめっちゃ笑ってたよーw」ってめっちゃバレてる
近くの人はまだ分かる
でもすごく遠い席にいる人も知ってる
黒いカーテンでかくしてたとか関係なくガッツリ寝てたかもしれないけど
でも少し怖い
家ではあまり黒いカーテンを閉めてない
閉める必要がないから
逆に学校では閉めてることが多い
いろいろとブツブツ独り言を言ってストレス発散したりこっそり推しの絵をたまに描いたりして楽しんでいたりすることもあるから
この黒いカーテンは夏になったら自分の長さぐらいの人もしばっている
みんなカーテンをいろいろなしばり方でしばっている
一つ、二つ、三つあみ、ポニーテール、ツインテール、おだんごなどのものがある
学校のほとんどの人が一つかポニーテールだなってたまに見たりして、「朝大変なんかな~」「めんどうだったんかな~」とか勝手に考えてる
あまり好きではない授業とか下向いたら黒いカーテンでかくれられるって言ったけど運動系は別である
まず何もしてなかったら切れてくるヤツとか「前見ろ!」とか言ってプレーにもんくつけてくるやつがいるからその時はカーテンがじゃまにならないようにしばる時もある
友達から「次このかみ型で来てよ」とか言われてもやるのはたった数日だけ
この黒いカーテンは自分の意思で変えるものだから
違和感の根源

光塩女子学院中等科1年 本橋 杏珠
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
 違和感がある
 私にねっとりとずっと離れないでくっついてる
取ろうとしても取れない
 違和感は私を苦しめる
  永遠に。
 だけど違和感を持つことは悪いことではない
逆にいいことなのかもしれない
そんなことはだれもしらない
諸悪の根源なんてみんな言ってるものだけど
違和感の根源というものはなかなか聞かない
そもそも違和感ってイワカンなのかな
違和感ってどうしてあるのかな
学校の帰り、大雨の中でそんなアホったらしいことを考えてる
学校でも違和感はねっとりくっつく
それはだんだん大きくなり、全てを埋め尽くしてしまうほどに
大雨の中、水たまりから
違和感は消えない
一生。
色々と努力したい  けど 違和感は消えない    そんな声が聞こえてくる
そして、私は違和感を消そうとする
けど違和感はなにをしても消えない
イワカンは消えない
また学校に行ってもイワカンは日に日に増す
人はどうすればイワカンをなくせるのか
どうすればイワカンをいいものだと思えるのか
あゝ純粋無垢な子供はいいな
イワカンを持たなくて
そんなアホったらしいことを考えていたのか
人は言う 違和感をもっても逆にいいんだと
だけどほんとにそうなのか
イワカンは怒りと悲しみ、孤独を増すだけ
イワカンはなくならない
永遠に。
違和感は日に日に増すばかり
こんがらがってきた
また振り出しに戻ってしまった
池は次はなんと言うのか
なんと代わりに叫んでくれるのか
あゝ池はこころなのかな
そんなことを考えるともっとこんがらがってくる
逆にその感覚がくすぐったくて気持ちがいい
私は違和感がある
 永遠に。
相棒、今日もよろしく
高校生の部・優秀賞
採点

さいたま市立大宮国際中等教育学校4年 浅倉 芽依
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
だれかに○をつけたなら
だれかの×が、うかんでくる

だれかに×をつけたなら
だれかの○が、びかされる

ふたりに○をつけれたら
こんなになやみやしないけど
ふたりに○をつけたなら
×のじじょうが、ほかへいく

ふたりに×をつけれたら
なんとかかいけつするけれど
ふたりに×をつけるなど
つみをかんじて、できやしない

せかいに○がふえたなら
せかいで×がきえたなら
きっとべつでなやむだろう
ニンゲンいがいになるだろう

だれかに○をつけたなら
だれかの×が、わらわれる

だれかに×をつけたなら
だれかの○が、ねたまれる
蝿男

芝浦工業大学柏高等学校2年 島津 明正
poemImage
絵 北山 知絵子 さん 
蝿男は今日も働いています。
ビルとビルの間をぶんぶんと飛び回って、
人々に手で払われるのが仕事です。
蝿男は蝿になってから久しいので、ちっとも悲しくありません。
ただ、投げられた湯呑に翅を傷つけられないよう、気をつければいいだけなのですから。
蝿男は今日も物を食べません。
人間用に拵えられた新鮮で瑞々しい食べ物は、
蝿男の胃袋に入っても、黄色い蛆虫に変わって戻って来るだけなのです。
蝿男は、食事の時間が来る度に、人間達に囲まれながら、
狭っ苦しそうに手をすりすりしているのです。
蝿男は今日も部屋の天井に逆さまに張りついてじっとしています。
群がることのできる餌も、叩き潰そうとしてくる人間もいない日なのですから、
当然といえば当然です。
蝿男は時々、部屋の壁や天井を意味もなく這い回って、
新鮮な野菜を蛆虫に変えて一日を終えるのです。
さて、蝿男には、彼が蝿になる前に、恋人がいました。
名前は思い出せません。
彼女が好いていた物事も、もう思い出せません。
なにしろ、彼はもう蝿男なのですから。
でも、蝿男はある日、彼女の顔を思い出してしまいました。
蝿男は口からシーッシーッと音を出し、しきりに複眼を擦りました。
でも、擦っても擦っても、彼女の、あるいは蝿男自身の醜い顔は消えてくれませんでした。
笑っていたような、泣いていたような、そのどちらでもないような
せっかく顔を思い出したのに、彼女の表情は曖昧なままでした。
その日から、蝿男は空を飛ぶことをやめてしまいました。
蝿男は、昨日と同じように天井に逆さまに張りついて、ただじっとしていました。
蝿男は働かなくなったのです。人々に払いのけられることもなくなりました。
誰も彼に気づかず、湯呑を投げて彼を殺そうとする者もいませんでした。
それは、彼が蝿になって以来、初めての静かな日々でした。
ただ、 天井にとまっていると、複眼に焼き付いた彼女の顔が、じっとこちらを見返してくるのです。
泣いているようで、笑っているようで、でもやっぱりどちらでもない。
蝿男には、もう何もできませんでした。
やがて、蝿男の翅は固まり、黒ずみ、動かなくなりました。
足は天井にしがみついたまま、もう動くことをやめました。ある晩、誰にも気づかれぬまま、蝿男は天井から落ちました。
軽く乾いた音を立てて、蝿男は床に転がりました。
それでもなお、彼の複眼には彼女の顔が、あの曖昧な表情のまま、残り続けていました。
次の日の朝、彼の部屋のロボット掃除機が蝿男を吸い込みました。
部屋は少しだけ、きれいになりました。
小学生の部・佳作
ぶどうの一日

高岡市立高陵小学校4年 青木 咲良
 わたしは、ふでばこのぶどう。わたしは、六時五分に起きて、えんぴつのえんくんと、けしごむのけしちゃんを起こす。
「今日は、さくらにたくさん使ってもらうぞ。」
 七時になってさくらが起きた。ランドセルのランちゃんに入れていっしょに、さくらの友達をよびに行く。学校に着いたら朝のじゅんびをして、一時間目は、国語だ。漢字でいっぱい使ってもらえる。二時間目は、さくらが苦手な算数だ。わり算のひっ算を、いっぱいして先生にOKをもらって長休み。さくらは、いっぱい絵をかいている。いろいろな、色えんぴつきょうだいたちがいる。兄の赤くん、弟のオレンくん、弟のきいくん、弟の青くん、弟のみどくん、妹のピンちゃん、妹のむらちゃん、弟の白くんを使っていろをいっぱいぬっている。でもさいしょはえんぴつくんを使っている。それで先生に海の絵をあげた。長休みが終わった。三時間目は体育かんだ。感想を書くためにわたしを、持っていく。今日は、なわとびだ。いっぱいとんで感想を書いて三時間目は終わりだ。四時間目は理科だ。「いっぱいかんさつして楽しそうだな。」とえんぴつのえんくんが言った。理科が終われば給食だ。食べ終わったらつくえをはこんで昼休みも絵をかく。昼休みが終わったらそうじだ。ぞうきんのぞうくんをもってそうじ場へ行こう。帰ってきたら手あらいをする。手はハンカチのハンちゃんで手をふいて、五時間目は社会だ。水のことについて調べる。「いろいろなことが知れて楽しそう。」けしごむのけしちゃんがふでばこのぶどうのへやで言った。
 今日は五時間目で終わりだ。あいさつをしたら、帰るじゅんびだ。またランドセルのランちゃんに入る。家に帰ったら宿題をしよう。さくらが宿題をするようすを見守っている。宿題が終わればランドセルのランちゃんに入れられて、わたしぶどうはねる。
ぼくは本

高岡市立高陵小学校4年 澤 心晴
 ぼくは本
 みんなのえがおを集めてる
 みんなのわらいを集めてる
 みんなのなぜを集めてる
 みんなのすごいを集めてる
 みんなの感動を集めてる
 みんなのゆめを集めてる
 ぼくはそんな本でありたい
よびな

横浜市立北方小学校3年 恒川 莉吾武
じいじはセーフ
ばあばもセーフ
ひいばばもセーフ
でもじじいはアウト
ばばあはイエローカード
くそじじいはレッドカード

おじいさんを
「ねぇねぇおじさん」とよんだら
喜んでシュートする
でもおじいさんを
「ねぇねぇおにいさん」とよんだら
うそくさくてディフェンス態勢になるらしい

だれがおにいさんで
だれがおねえさんで
だれがおじさんで
だれがおばさんで
だれがおじいさんで
だれがおばあさんなのか
大人のルールは本当にややこしい

もしお前が
ぼくのことを
赤ちゃんとよんだら出場停止しょぶんだ
おばあちゃんの言葉

高岡市立高陵小学校4年 細谷 睦
おばあちゃん「・・・・・・」
ぼく「?」
ときどき、おばあちゃんからとび出すなぞの言葉
ぼくにはわからない
「あっそうか、りくには通じなかったね。高岡べん、方言やよ。」
高岡にひっこして一年
高岡の生活にはすっかりなれたけど
ときどき、わからなくなるおばあちゃんの言葉
でも、なぜか、あったかい
ぼくも、高岡べんにちょうせん
「待ってちゃ」
なにかおかしい
「待っとってが正しい高岡べんやよ」
わかった
「待っとって」
おばあちゃんと高岡べんのキャッチボールができた
なぜかあったかい、高岡べんが大好き
とくいわざ

愛媛大学教育学部附属小学校2年 若狭 早
目が合ったら
はじまるよ
ぱちん
と、ウインク
ぼくの とくいわざ

右目で ぱちん
左目で ぱちん
どっちもできるよ
どんなもんだい

さんかん日は
手をふるかわりに
ぱちん
と、ウインク
ないしょの 合図

お父さんが
気づいてくれた
ぼくのこと
ずっと見ていたんだね

お父さんは
もっとすごいよ
ぱちぱち ぱちん
と、高速ウインク
お父さんの とくいわざ
中学生の部・佳作
わたしが 今 しあわせなのは

神戸市立盲学校中学部2年 北口 緋希
わたしが 今 しあわせなのは
好きな曲を 聴いたから
わたしが 今 しあわせなのは 
おいしいごはんを 食べられたから
わたしが 今 しあわせなのは 
家族と なかよくできているから 
わたしが 今 しあわせなのは
友だちと 楽しく話せたから
あなたは? どんなときに しあわせなの?

あなたが 今
すごく すごく つらいのは・・・。
明日に しあわせ とっておくため

わたしが 今 しあわせなのは
今日も・・・
今日も 生きているから

今日も 生きているから、
つらくても また
しあわせになれる
夕立の心音

駒場東邦中学校3年 鈴木 理仁
 今日は夕立
 空が急に怒ったみたいに
 どしゃどしゃと言葉を降らせてくる
 さっきまでの晴れ間が
 うそみたいに消えてしまって 
 わたしの気分もいっしょに沈んでいく
 でもシャワーみたいで
 ちょっとだけ気持ちいい

 服はびしょぬれ
 靴の中は小さな池みたい
 冷たい風が吹き抜けて
 むしろ少しだけ自由になったような気がした

 ふと声がした

 公園のすみで
 女の子がぽろぽろと泣いている
 手にはこわれた傘
 泣き声は雨音にまぎれて
 誰にも届かないみたいだった

 そのすぐそばで
 男の子が一人
 水たまりを蹴って笑っていた
 髪はぬれて顔もぐしゃぐしゃ
 でもその笑顔はまるで太陽みたいに明るかった

 ふたりともびしょぬれ
 でも泣いている子と
 笑っている子が
 同じ空の下にいるのがなんだかふしぎで
 まるで
 心のなかのいろんな気持ちが
 ばらばらに並んでいるみたいだった
 わたしもさっきまで沈んでたのに
 気がついたらちょっとだけ笑ってた
 空はまだ泣いてる
 だけど
 この雨はいやなものばかりじゃない
 ほこりを流して
 声を隠して
 悲しみも笑顔もやさしく混ぜていく
 夕立の日
 泣いてもいい
 笑ってもいい
 ぬれたままでも
 そのままでいいって
 雨が教えてくれた

高岡市立志貴野中学校1年 開 菜々美
 汗でびちょびちょにしたかみの毛を
 手でいじりながら
 
 誰かの好きな人で盛り上がった帰り道
 
 明日の時間割も知らずに
 くだらないことで声をあげて笑った
 あの夏の思い出
おーい ももか

小牧市立小牧中学校1年 福島 穂乃果
 妹が
 何かしてると思ったら
 こそこそしてる
 と思ったら
へえ なんか書いてる
 ももが何かを書いてる
へえ 本当に

 後ろから覗いたら
 「あっち行って」だとさ
 けちん坊 ももめ
 ここは
 みんなのテーブルで
 独り占めはできないんだぞ

 それでも
 あっち行ってだって
 もも お前
 そんなこと言ったら
 怒られるぞ
 「ももか」って呼ばれて
 大きな声で怒られる

 でも
 こいつ
 「ももか」って呼ばれたいんだ
  知らなかった
 「こいつが ももか」
 と呼ばれたいなんて
 知らんかった

 確かに私は
 「大きいねぇ」とか
 「ほの」とか呼ばれてる
 仕方がないけど
 時々は 嫌だなと思う

 でも正式に名前を呼ばれる時は
 もろ ヤバい
 みっちり叱られる時に
 決まってる

 特に母さんが呼ぶ時は
 気を付けないと 大目玉
 父さんの時はそうでもないけど
 でもやばい

 家の三人姉妹は
 全員「果」の字がついている
  理由はいたって簡単で
 かあさん
 子の字が嫌だったから
 古めかしくて嫌だって
 だから
  私は始めは
  すずねになる
  はずだった
  でも
  大婆が
  すずねでは
  すずめになって
  可哀そう
  すずめ すずめと
  何度も言ったから
  穂乃果になったと
  聞いたっけ

 おーい ももか
 時々
 そう呼んでやろうかな
 こっそり
 見てしまったからな

 でも許せ
 時々だからな
 ももかというのは
 おーい ももか
 そん時はきっと
 返事しろよな
 おい ももか
夕立

高岡市立南星中学校1年 源 結乃
 黒い雲が 音もなく押し寄せて
 ふいに世界が 灰色に沈む

 ざあっと降りだす雨
 アスファルトは すぐに鏡になり
 にじむ街灯が 揺れながら踊る

 シャツに散った水玉は
 冷たいのに どこかあたたかい
 胸の奥に残っている
 夏休みの秘密みたいに

 雨が止んだあと
 空にかかる虹を見つけて
 なぜだか走り出した
 理由もないまま 濡れたまま
高校生の部・佳作
存在意義

慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部4年 岩佐 葵
人は何からできているのだろうか
人の心はどこにあるのだろうか
人が人であるための必要条件を知りたい

病は身体を蝕み、脳を侵し、細胞を乗っ取っていく
人は病に抵抗したはずなのに
その痕跡さえも消し去られていた
朗らかな笑顔
過去の記憶
家族への想い
確かにそこにあったはずなのに
今はもうない

祖母の脳には何が巣食っているのか
祖母の目には何が映っているのか
祖母の心はどこにいったのか
祖母に聞いても答えは返ってこない
私は答えを探して思考を高速回転させる

祖母がいなくなってしまった
いや、目の前にいるではないか
これは祖母ではない
いや、これが祖母なのだ
何をもってして祖母だと判断したのか
何をもってして祖母ではないと判断したのか
脳の中を駆け回る思考によって
私の脳は腐食していく

私の記憶を守らなければ
私の心を守らなければ
私が私であり続けなければ
祖母を守るためにはこれしかないのだ

今日の祖母は穏やかだ
だが、その口から私の名前が発せられることはないだろう
その目が私を映すことはないだろう
その脳に私への思いは残っていないだろう
それでも祖母はここにいる
祖母は祖母であり続ける
私の心の中に祖母がいるから
私の脳の中に祖母がいるから
ああ、私の存在意義はここにもあったのか
これを現時点での最適解としておこう
きみだけのプリン

大分県立大分上野丘高等学校2年 岩下 真理華
きみだけのプリン なんて商品の名が
冷蔵庫を開けた私の目に映った
それを買ったのは父だろうか 父は
きみだけのプリン が
不特定多数に向けられた 張りぼての愛 が
値札をつけられ
いくつもいくつも陳列されるのを
見ていたのだろうか

私は想像する
きみだけのプリンという文字が
大きな機械で大量に印刷されるのを
消費者の顔も知らない人たちが
生産者の顔も知らない人たちに
愛を売りさばく姿を

食べながら考えているうちに
ふと気づいたことは きみだけのプリンは
君だけのプリン
ではなく
黄身だけのプリン
ということ

そうか、愛ははじめから
不特定多数にすら
向けられようとしなかったのだ
解釈の余地を残したあざとい手口に
私はまんまとのせられてしまった

父は知っていたのだろうか
父が私の冷蔵庫に入れた時点で
きみだけの は 君だけの に
意味を変えたのだろうか

人は知っていながらも
きみだけのプリンを 買うのだろうか
信じるために 買うのだろうか
それとも
買うために 信じるのだろうか

徳島県立脇町高等学校2年 坂本 梓
ジリジリと肌を焼く
ギラギラの太陽
ムシムシからダラダラに
身体はヘロヘロ意識はボーッ

カンカンと照りつける
ギラギラの太陽
ジワジワと温度があがりグッタリ
喉はカラカラ身体はフラフラ

モワモワと熱気がこもる
ギラギラの太陽
ベタベタの肌でヒーヒー
パタパタ扇いでも息はハアハア

ズキズキと頭が痛む
ギラギラの太陽
タラタラ汗でフラフラ
ガンガン頭でグワー

ジュワッと水が蒸発
ギラギラの太陽
ジメジメつのって頭クラクラ
ポタポタ汗からドロッ

こんな夏に誰がした
こんな夏に誰がした

膝はガクガク服はゴワゴワ
気分モヤモヤ汗でドロドロ
熱気がムンムン息がグワッ

パキパキ地面私バテバテ
湿度はグングン身体はズルズル
ボッテリ照らされ肌はチリチリ

ヒューヒュー熱風気分ズーン
風邪はピタッ舌がベロベロ
頭グワングワン思考ヨロヨロ

こんな夏に誰がした
こんな夏に誰がした
矛盾の中の十五年

富山県立高岡高等学校1年 佐久間 遼
私を一人にしてください
向けられる想いが重いのです
私を一人にしないでください
一人は寂しいのです

私に優しくしてください
嫌われるのはつらいのです
私に優しくしないでください
何を返せば良いのか分からなくなります

私に厳しくしてください
怠惰に溺れて壊れてしまいます
私に厳しくしないでください
厳しいのは痛くて嫌いなのです

私の話を聞いてください
無視されるのはもうこりごりです
私の話を聞かないでください
嘘をついて自分を追い詰めてしまいます

私に期待してください
何一つ想われないままいるのは嫌なのです
私に期待しないでください
私は家族のように優れた人間ではありません

私に嘘を吐かないでください
虚飾にまみれた会話は空虚です
私に嘘を吐いてください
まっすぐな言葉は受け止めきれません


矛盾した私の体に遺伝子と共に刻まれている
歴史はたったの十五年
十五年でこれほど矛盾し絡まるのなら、
絡新婦が世界を獲る日は
すぐそこまで迫っている

さいたま市立大宮国際中等教育学校5年 渡邉 由麻
我は決意した
必ずしやこのリュックに詰まった課題と教科
書と塾のあんまわかんないところを撃破して
から我が城に帰ってやろうと
そうして安いアイスで祝杯を挙げてやると

味方と共に学校を出る
これまた安いファミレスが今回の戦場
あのー ドリンクバー単品二つで
これが宣戦布告の合図だ 開戦である
手始めにパンっと張ったジッパーをあける
なるほどなるほどお前の敵は如何様で 
味方の敵も探りつつ弱そうな現代文から
ふん こんなものは朝飯前だ
二百円弱の持ち武器で終わらせてやった

次は数学こいつは手強い
本戦が近い故 腕を上げてきている
味方よこやつはどの技で?なるほど
ふふん我の味方の前じゃ一溜もないだろう

最後は難敵塾のあんまわかってない英文法
やはり他とは面構えが違う
一度は負けた相手二度の敗北は許されない
むむむ思わず千円強の武器に持ち変える
味方よ味方こいつはどうすれば 知らぬだと
何そんなことよりあいつに意中の女だと
ええい延期だ見逃してやる それよりあいつ
の話を詳しく

また敗北を期してしまった
よりによって不戦敗じゃないか
二度目は許されざると先ほども
戦友と共に敗北の原因を探る
あいつの意中の女の話しかないじゃないか
人の色恋で盛り上がるような人間がこの戦に
勝てるなどと驕るべきではない
次の戦までは己で鍛錬に励むのだ
あ すみませーんお会計で
これで終戦だがしかし見逃してやっただけだ
我は決意した
次こそは完封勝利で終わらしてやる
小学生の部・奨励賞
8の字

片山学園初等科4年 近藤 倫子
ピーーーッ!
笛の音が響く
始まったんだ
カッ カッ カッ カッ
縄が回る
この音しか聞こえない
今日は運動会
ずっとこの日のために練習してきた
私は5人目
あと4人
3人
2人
1人
走る
踏み切る
そして 跳ぶ
成功!
喜ぶな 気を引き締めろ
自分に繰り返す
まだ終わっていない 次がある
3人
2人
1人
いける いける
いや
いく いくんだ
勝負の行方は私にかかっている
走る
踏み切る
そして 跳ぶ
タッ
パンッ
あっ・・・
縄が私に噛みついた
縄はいつも私の味方だったのに
裏切った
あーあ・・・
みんなきっと そう思ってる
上を向くのが こわかった
真っ暗だ
大丈夫だよ!
その声で 光がさす
ほら 次もあるよ!
頑張ろう!
みんなの声は 私を暖かく包みこんだ
3回目
こわい
でも
次こそは 絶対跳ぶ!
走る
踏み切る
そして 跳ぶ
跳べた!
やった!
ピーーーッ!
笛の音
勝った!
でも 勝負よりも
大事なことがある
私は学んだ
ももの家

高岡市立高陵小学校3年 新川 松太郎
 ももの弱いピンク色
 クラゲのようなうすいピンク色

 ももの家をさわったら、
 シャキシャキしそう
 さわやかなやさしいにおいがしそう。

 ももの家で、
 もものフルーツポンチをたべたいな。

 ももの家でねたら、
 つめたくて、
 ぐっすりねむれそう。
 ま夏は、とくべつつめたそう。

 はやくももの家でねたいなぁー。
ゾウのすごい一年だゾー

高岡市立高陵小学校4年 中尾 歩夢

 ゾウ頭がいいんだゾー
 そして全部のノーベルしょうを取ってしまったんだゾー
 しかもスポーツもできるんだゾー
 そしてオリンピックで全て金メダルをとったんだゾー
 その後こうし園に出たんだゾー
 そして満るいホームランたくさんとってゆうしょうしたんだゾー
 友達とパーティーをするんだゾー
 ゾウはその後強くなりに旅に出るんだゾー
 そしておよいでブラジルまでいったんだゾー
 ゾウはブラジルで毎日ジムに通ったんだゾー
 そしてうちゅう一強くなったんだゾー
 だからゾウはひまになったんだゾー
 考えて日本に帰ったんだゾー
 そしてどんな病気も治す薬を作ることにしたんだゾー
 ゾウは考えて研究をしたんだゾー
 なんとゾウは一年中考えて研究したけっかどんな病気でも治る薬を発明したんだゾー
 そしてみんなゾウのおかげで病気にならなくなったんだゾー
 そしてゾウは世界中からほめられて幸せにくらしたんだゾー
うたう

鴻巣市立鴻巣中央小学校2年 西多 晃都
あたまがうたえば
からだもうたう
からだがうたえば
じぶんもうたう
じぶんがうたえば
みんなもうたう
みんながうたえば
ちきゅうもうたう
ちきゅうがうたえば
ほしがうたう
ほしがうたえば
うちゅうがうたう
うちゅうがうたえば
ぜんぶがうたう
せかいはつながっている
わたしの日曜日

高岡市立高陵小学校5年 宮永 維睦
 わたしの好きな音
 トントントン
 お母さんの包丁
 ジュージューハンバーグ
 カチャ
 あ、お父さんだ
 ワハハハハ
 家にひろがる笑い声
 まどをあけたら
 すずめのチュンチュン
 気がついたら蚊
 ブーン、パチン
 夏の庭はジリジリ
 にげた木かげのサワサワ
 妹がひく子犬のワルツ
 そのとなりで走る弟の電車
 たくさんの音がかさなって
 大きな大きな
 コンサートの始まりだ
 ハンモックにゆられながら
 音のふとんにくるまれていたい
中学生の部・奨励賞
学校の帰り道

高岡市立南星中学校1年 東 美澪
 夕焼けにそまる通学路
 カバンの重さを
 背中で感じながら歩く

 今日の授業のこと
 友達とかわした冗談
 心にひっかかった小さな悩み
 ぜんぶ赤い空に
 少しずつとけていく

 すれちがう人の声
 自転車のブレーキの音
 街のにぎわいにまぎれて
 一日の終わりを知る

 「またあした」
 そう言って手をふると
 笑い声が風にのって遠ざかる
 ふと一人になった道に
 夕やけの影がのびていく

 少しさみしいのに
 どこか安心している
 今日も無事に終わったんだと
 心がそっとささやく

 家の明かりが見えてくる
 カレーの匂いが風にのる
 夜が近づくその時まで
 ぼくの帰り道は
 やさしいオレンジ色に包まれていた

駒場東邦中学校1年 石井 將太郎
自転車の後ろに乗る僕を
月がずっと追いかける
車に乗っても着いてきて
ぼくが止まると
ピタッと止まり
歩き出すとついてくる

月はずっと僕を見ている
時には雲の隙間から

月が動いているのを見ようと
急に振り向いても
月は動かない
僕を見守る月よ
今日はどこまでついてくる
いつもの日常

高岡市立南星中学校1年 中川 椛香
 目覚まし時計が小さな声で
 今日の朝を告げる
 窓の外からカーテン越しに
 朝日が差し込む
 静かな呼吸のように一日が始まる
 時計の針はためらいなく進む
 私はいつものように
 歯磨き 着替え 忘れ物チェックをする
 スマホではアプリが天気を教えてくれる
 だけど今日の空模様は
 窓の向こうの青が教えてくれる
 朝の日差しを浴びながら
 同じ景色を通り過ぎる
 教室のドアを開けると
 いつものみんながいる
 あいさつをすれば
 あいさつが返ってくる
 今日を少しだけあたたかくする
 授業を受け昼になると
 いつもの給食がはこばれてくる
 みんなと一緒に給食を食べる
 夕暮れには影が長くなり
 家路をとおる人々の背中に
 それぞれの物語が宿っている
 誰にも言わない喜びも
 誰にも見せない寂しさも
 そして扉を開けるといつもの匂い
 ただいまと言えばおかえりが返る
 この何げないやりとりが
 私の心をほどいていく
 そしてこの暮れなずむ光に
 そっと染められていく
 家の灯りが一つまた一つ
 暗くなる街に灯される
 夜は静かに降りてきて
 今日というページをそっと閉じる
 布団にくるまりながら
 また明日も同じように
 過ぎていくのだろうと
 思いながら眠りつく
 でも本当は知っている
 いつもの日常は奇跡の連なりだということ
 変わらぬように見えて
 一つとして同じ日はないということを
 だから明日も
 私はまた目覚める
 小さな鼓動とともに
 この奇跡のいつもを生きていく
地球の恵み

小矢部市立津沢中学校1年 沼田 悠杜
 夜食
 青い地面にいたかれらが
 すしとなって
 やってきた

 昼食
 のみものを出していたかれらが
 肉となって
 やってきた

 朝食
 畑で育てたかれらが
 いためられて
 やってきた

駒場東邦中学校3年 野村 政成
さぁーーーっす。
さらさらさら。
今日も墨のにおいが手に染み込む
体に字が映るが、頭が追い付かない
気持ちいい
だけど「ダメ」だ
段は上げてもらえない

しゅっ。しゅっ。ぴっ。
トン。トン。
もう一枚半紙を折り、文鎮を立てる
つぎは頭で考えながら書いてみたりする
が、筆が滑らずにじんでしまう
これもまた「ダメ」なのだろう

二枚の作品と見つめあう
でもそこには何もない
心で受け取れない


気持ちがいいかそうじゃないかじゃない
「ダメ」でも「よい」でもない
僕が紙に書きたいのは
僕が紙と向き合いたいのは
僕が紙に残したいのは・・・


ざっ。
筆をぶつける
僕の一番遠いところから紙の一繊維まで
全部全部僕だ
流れる水であり燃え盛る炎
僕の神経でできた穂で浮かび上がる字
まぎれもなく僕だ
僕が広がってゆく


ぐりぐりぐり。
こすりつけた筆が音を鳴らす
次のハネで終わる
いや、終わってしまう
筆を離してしまうことを怖く感じている
まるで死を拒むような


しゃっ。
何かを飛ばすように
何かを超えるように
何かを壊すように
にじんでしまった線から筆をハネる
筆が紙と離れたその瞬間、残ったのは僕


汗の跡が墨に映える
僕の鼓動が字を揺らす
高校生の部・奨励賞
むずむず

富山県立高志支援学校高等部こまどり分教室2年 加賀田 希美
むずむず 大変
鼻水は嫌い
くしゅん
鼻炎アレルギーは
大嫌い
くしゅん くしゅん
頭が痛くなる
鼻の下が赤くなる

先生は
「大丈夫?」って聞くけど
「大丈夫じゃないよ!」
夏の楽しみ

富山県立伏木高等学校1年 越本 和華那
入道雲が 空に座っている
海の音 風鈴の音
言葉を持たずに 会話している
世界はみんなの宝石箱

富山県立富山高等学校1年 佐々木 友彩
キラキラ光っている星は きっと
誰かの宝物
毎日送っている日常は きっと
誰かの全て

世界の全てが誰かの大切
 きっとなくなってしまったら
みんな悲しい

好きなものって何だろう
嫌いなものって何だろう
人と人 みんな違う

誰かの好きは 誰かの嫌い
それを忘れて生きている
それを見ないで生きている

キラキラ光っているものは
世界にいっぱい溢れてる

暗くなっていかないように
毎日明日を大切に
しゅうのはじめのゆめうつつ

浜松日体高等学校2年 林ノ内 鮎佳
ぱち

しゅる さら もぞ
羊が泳いでいた
まつげを擦る布たちのこえ
虚空を蹴った 雲をかぶった
しゅる さら もぞ
シャウラが煌めいていた
570光年先の異星人のこえ
宇宙は蹴れない 星をかぶった
しゅる さら もぞ
雲を掻き分けて
掴み損ねた答えをたべたい
無機質なこの世界からは 短い手が届かない
永遠に未完成の惑星のこえ
地平線を蹴った 潮水をかぶった
しゅる さら もぞ
波に揉まれて溶けかけた身体を洗い流して
まい あいでんてぃてぃ を証明したい
虚ろな時代に酔って 人生の舵を取れない
セーラーを纏う船長のさけびごえ
でも 夢は蹴れない 重力をかぶった

しゅる さら もぞもぞ
光がまぶしい 隕石の落下かい
ぱち
陽だまりに包まれた 
天井に煌めく憂いと希望
タナトスが目を瞑っていた
まだ 沈没しないでいたい
彷徨ってもいい
航路を紡ぐ高校生のこえ
初夏は臨界

浦和明の星女子高等学校1年 安田 奏愛
小さめの駅を通り過ぎるときに
時間の化石を抜けた気がして
そんな簡単なことが、と
夏かぜの中になびく
自然光の粒子たちが
「水飲めば?」なんて勧めている

全力を傾けて走れば
1秒、2秒と目を閉じたとき
トラックにぶつかるより先に
空だって飛べている気がした
動物とは話せなくても
宇宙につながる努力が、そこにはある?

簡単な言葉混じりでなびく
赤色にも似た薄い空
窓から、路傍から、踊る視神経から
眺められる場所がいくら少なくても
例えばびしょぬれのタオルの間で
私たちはそらを見ていた
「あなたの望むものもきっと
地球以外の星でなびく」
なんて思っているけど

雲がかかっていないとき
私たちは壁を見つける
私たちはきっと
壁に見出される
初夏はわずかに風邪を浴びて
薬指の爪に
信仰のように映る

感じないはずの風の音でなびく
100年前のことばかりでなびく
星の寿命と目が合った気がして
ひんやりと笑いをこらえている
無機物の言うことだって聞かないくらいの
愚か者がいた

初夏は僅かに風を浴びて
電光掲示板の角に
哲学のように映った
宇宙全部がなびく欲望に
そんなものだけを見ていて