第4回(2007年) 入賞者

佳作
矢郷瞬 (朝日小 5年)
木谷航 (能町小 4年)
竹林史貴 (平米小 4年)
菅野紗希 (平米小 5年)
森田知也 (平米小 5年)
田村亮太 (北部中 2年)
細川智大 (五位中 1年)
松澤あかり (五位中 1年)
岡田真歩 (五位中 1年)
村本奈々 (五位中 1年)
五十嵐彩那 (大泉中 3年)
林実穂 (高岡商業高 1年)
高松美咲 (高岡西高 1年)
濵桐愛 (高岡工芸高 3年)
松田悠花 (富山東高 1年)
林千尋 (富山大附小 3年)
奨励賞
大久保和紀 (朝日小 5年)
塩崎裕美 (平米小 2年)
伊藤幹 (平米小 5年)
高井俊樹 (北部中 2年)
柳川優子 (伏木中 2年)
ねじめ正一氏選評
書くうちに言葉を発見
 今年も素晴らしい作品ありがとう。書き進めているうちに言葉を発見している詩は読んでいてもどんどん楽しくなってきます。
 大賞の山田祥子さんの「二つ目小僧」は出だしから、こちらをぐっとつかまえて、終わりまで一気に読ませてしまう。寓話(ぐうわ)のようなスタイルはユーモラスで、どの言葉にも無駄がない。最後の「きちんと目覚められないで」という一行が効いています。
 富山銀行賞の渡辺映理さんの「パパのな・い・しょ」は、パパに対するやさしさが詰まっています。パパがたばこがやめられないのは「お仕事がたいへん」だからなんだって、ちゃんとわかっている。それがこの詩をステキにしています。
 小学生の部の最優秀賞の森田康明君の「お経」は、お経の文句に迫力があります。木魚の合いの手も素晴らしい。声に出して読んでみたくなる詩ですね。「門前の小僧」もここまでくれば大したもんです。優秀賞の堀田涼介君の「ぼくの家族」も読んでいるだけで汗が出てくる詩です。とくにパパの部分。トンネル中にひびくクラクションのあらし、なんてすごい。にぎやかな家族なんですね。
 中学生の部の最優秀賞は石坂麻里愛さんの「金魚花火」です。この詩は「金魚花火」という言葉を思いついた時点で成功しています。あとは最後の一行。この一行で決まった。夏の夜の情景が不思議な感覚で浮かび上がってくる。石坂さん独自の言葉の世界があります。
 高校生の部の最優秀賞は島崎由紀乃さんの「道」です。作者の島崎さんは「普通でいいじゃない」という言葉が偽善で怠慢だってことにちゃんと気がついている。「生きてるだけじゃダメだよね “普通”が一番ダメだと思う」、この認識が素晴らしい。そして、そのすぐあとに「母は弁当に二つおかしを添える 私と私の友達の分」のフレーズがあることで、認識が本物になっています。
ポエム大賞
二つ目小僧
高岡高校3年 山田 祥子
二つ目小僧は驚いた
ほんの百年寝てる間に
知らないところに来ていたのだもの
世界中が喧嘩(けんか)して
とってもとってもうるさかったから
ほんの百年ばっかりと
昼寝をしていただけなのに

ここはどこだろう どこなんだ?
ほんの百年前のこと
自分は山奥の小屋の中で
ごろりと横になったのに
今見ているのは真っ白な
箱の中で人間が
得体の知れないモノたちと
黙って座って向き合って
カシャカシャカシャとひたすらに
やたらに指を動かして
プルプル騒ぐモノ取って
見えない誰かと話してる

二つ目小僧は目が回り
なんだか気分が悪くなり
ひょいと窓から飛び降りた

飛び降りたのは石の道
真っ平らな石の道
恐ろしい四つ足の怪物が
次から次へと走ってく
そんなところに立っていた
空気は黒くよどんでて
空はあんなにちっぽけで
おまけに顔色が悪かった

二つ目小僧はからすを探した
高く空飛び山探し
一つ目小僧に三つ目小僧
友達に会いに行くために
だけどいるのはカラスだけ
えらく太ったカラスだけ
地面をピョンピョンはねていて
空など見向きもしやしない
これじゃ高くは飛べまいよ

二つ目小僧はとぼとぼ歩いた
ほんの百年ばかり前
ここでは稲穂がささやいていたのに
そこでは小川が笑っていたのに
ほんの百年ばかり前
でこぼこごろごろあぜ道で
一緒に遊んだ子供たち
今はどちらを向いたって
子供の笑い声が聞こえない
みんなどこに行ったのだろう?

二つ目小僧は考えた
きっとこれは夢だろう
明日きちんと目覚めれば
みんなに会えるにちがいない

次の日の朝
二つ目小僧は相変わらず
きちんと目覚められないで
色を無くした夢の中
ぼんやりひっそり立っていた
黙ってひっそり立っていた

富山銀行賞
パパのな・い・しょ
富山市水橋西部小学校4年 渡辺 映理
お仕事がたいへんだった時
「ただいま」
と、ドアを開けたしゅんかん
わたし知ってるよ!
ズボンのポケットが四角にふくらんでること
わたし知ってるよ!
パパの車に乗ったとき
わたし知ってるよ!
買い物に行った時ちょっといなくなること
わたし知ってるよ!
サッカーにいっしょに行ってくれた時
やっぱりちょっといなくなる
わたし知ってるよ!
だーいすきなパパにだきついた時
私たちのこと大すきなら
自分の体も大切に!
たばこ止(や)めるやくそくまもって!

最優秀賞
お経
高岡市平米小学校5年 森田 康明
チーン ポク ポク
目が覚めた
朝の仏だん参りだ
まかはんにゃはらみたしんぎょう かんじざいぼうさぎょうじんはんにゃはらみた
いそいで起きて
おじいちゃんの後に正座

線香のけむり ユーラユラ
ろうそくの炎 ユーラユラ

おじいちゃんは木魚を前へ
ポク ポク ポク
ナムカラタンノー
いっしょに大きな声でお経をあげる
トラヤーヤーナムオリヤボリョキチシフラヤフジサトボヤーモコサトボーヤーモコキャルニキャヤエンサハラハエー シタノトンシャナムシキリトイモオリヤ…

おばあちゃんと氷見のこうしょう寺
大きなガイモモ りっぱな木魚
グァーン ボコン ボコン
ナムカラタンノートラヤーヤーナムオリヤボリョキチシフラヤフジサトボヤモコサトボヤモコキャルニキャヤーエンサハラハエシタノトンシャナムシキリトイモオリャボリョキチシフラリトボナムノラキジ

大人でもあげれる人が少ないお経
よくできたね
おしょうさんもびっくり

おばあちゃんは、
「門前の小ぞうやね」
と、笑った。

ぼくは鼻が高くなった。

金魚花火
滑川市早月中学校3年 石坂 麻里愛
チャポン…チャポン…
金魚がはねる
今夜はお祭り、お月様もみてる
月はひそりと金魚を見てる
我もじっと金魚を見てる
月はいつでもみてるのか
金魚の泳ぎを見てるのか
水面に映る月を覗けば月がおめかしすましてござる
全(すべ)てきらびやかに見えるのは何故(なぜ)?
水面をなぞって金魚は泳ぐ
 ひらひらひらひら
水滴飛ばして花火を作る
絢爛(けんらん)豪華に見えるのは金魚のいのちの輝きか
 チャポン…チャポン…
水面が揺れる、皆が揺れる
ポチャン…ポチャン

この世では目に見えるものでも全てが答えではない

ポチャン…ポチャン…
金魚はつぶやいた

どこからか、おむかえが来たみたい
ポチャン…ポチャン…
すくわれた金魚は最後まで月を見ていた
 ドーン、ドーン…
 ドドドーン…
 ドーン…
 ドーン…
水面に花がキラキラキラ
水面にひらいた小さな花
ふり向く先には―
花火!
月と互いに絡んでる

金魚花火がドドンと開く

高岡南高校2年 島崎 由紀乃
私の言葉…どれも油ぎっている
バイキングで肉ばっか食べている五歳児
目に映るもの全(すべ)て
手当たり次第に取ってくる
食べたことないくせに
食べれないくせに

全てをゼロにリセットしてくれる
そんなレタスが欲しい
君がもっていて僕にないもの
早く私も触れてみたい

誰にだって平等に朝がやって来る
私は朝が大好きだ
誰にも譲れない まだ足跡のない道
気がつくと、サビついたおんぼろチャリに
自分の面影を隠していた
AM6:27 今日もいた
バスを待っているサラリーマン
AM6:30 今日はいなかった
バスもサラリーマンも
三分の間に世界は私の知らない所になった
私も変わらなきゃ

PM6:27 太陽が直視してくる
――ズキン
真っすぐ突き刺さった
君は全てを見透かしているんだね
私が私に嘘(うそ)をついたこと
自分で自分の首を締める人が多すぎるから
空は、だんだんヘモグロビンで染め上がる
すっごく痛かった 真っ赤な落陽

コンクリートの地面に向かって…
スライディング
君の痛み、知りたかった
ドシャブリの中、がむしゃらに走った
自分がちっぽけに思えたから

生きてるだけじゃダメだよね
“普通”が一番ダメだと思う

母は弁当に二つおかしを添える
私と私の友達の分
私が、ばあちゃんになったら
孫を図書館に連れていってあげたい

優秀賞
ぼくの家族
富山市水橋西部小学校4年 堀田 涼介
ぼくのパパは、運転手
十トンのダンプにのっている。
おそい車がいるとイライラ、イライラ
急に合図をだされるとイライラ、イライラ
とくに夜、県外へ行くトンネルの中
おそい車がいるとイライラ、イライラ
そしてついにクラクションのあらし
ファンファーンという音
ファーーーンと長い音
トンネル中にひびいてる
いつもイライラ、パパの運転

ぼくのママは、工場で仕事
重たいものをヨイショ、ヨイショ
きれいになるよう、みがいてる
いつも汗がダラダラ
力を入れてヨイショ、ヨイショ
重たい物ばかりさわってる

ぼくの弟分、ダック
朝起きて顔を見るとワンワン、ワンワン
えさがほしいとワンワン、ワンワン
かまってほしい時もワンワン、ワンワン
ぼくが帰るとワンワン、ワンワン
いつもないているぼくの犬

なんで「りんご」?なんで「みかん」?
高岡市平米小学校4年 梶 涼羽
なんで「りんご」なのかな?
べつに「ぺらら」でもよかったのに、
もしかして、
「りんご」の名前をつけた人が、
り・ん・ごがすきだったのかな?
なんで「みかん」なのかな?
べつに「かんよ」でもよかったのに、
もしかして、
「みかん」の名前をつけた人が、
み・か・んがすきだったのかな?

かつお節
高岡市五位中学校1年 米沢 辰弥
かつお節
それは
アツアツのお好み焼きの上をステージとしておどるダンサーである。
ユラユラ、ユラユラ
カサカサ、カサカサ
優雅におどるやつもいれば
激しいロックをおどるやつもいる。

昼どきには
コンサートを開き
見ることもできれば
食べることもできる。
一石二鳥の品だ。

ある日ある時
高岡市南星中学校1年 畑 まりな
ある日 パンダはやってきた。
「ねぇ、遊んでばかりいたくない?」
そしたら子供はこう言った。
「うん、ずっとずっと遊びたい。」

ある時 パンダはやってきた。
「ねぇ、不老不死に憧(あこが)れない?」
そしたら老人はこう言った。
「ふむ。不老不死は憧れじゃ!!」

ある日 パンダはやってきた。
「ねぇ、億万長者になりたくない?」
そしたらプー太郎はこう言った。
「おう。ラクしてお小遣いもらいたい。」

ある時 パンダはこう言った。
「ねぇ、メチャメチャ可愛(かわい)くなりたくない?」
そしたらギャルはこう言った。
「ワァオ!!イケてる女は最高じゃん!」

ある日ある時…
ある日ある時…

こうしてパンダと人間が、いつのまにか関(かか)わって、とても仲良くなりました。
仲良くなった証(あかし)にと、パンダはペンダントをくれました。
すべての人にくれました。
しかしこの時人間は、パンダが異星のロボットと疑う者は誰もいず、時間ばかりが過ぎました。
ガシンガシン、ガシンガシン…
ガシンガシン、ガシンガシン…
異星からのロボパンダ、人の野望をエサにして大きく大きくなりました。
金属音が響く中、パンダが大きくなりました。大きく大きくなりました。義経岩よりジャンボ君、ジャンボパンダになりました。
鉛色の階段がパンダの口まで続きます。
鉛色の階段に人が次々登ります。
思いをそれぞれ巡らせて一心不乱に登ります。

「みんな待って、行かないで!!」
私の悲痛な叫び声、虚(むな)しく辺りにこだまする。それでも登る人々の、心はすでにロボの中。ゆれる胸のペンダント。
夢は自分でつかむもの 老いも若きも一つの命、いい汗かいて稼ごうよ、美は内面からにじみ出そう。

ジリリリリ…
突然目覚ましアラーム音。今のは全(すべ)て夢の事。ぐっしょりかいた顔の汗。夢でよかった本当に。自分の力を信じつつ、生きていくことを誓います。ホッとしたのはつかの間で、私の首にはペンダント。異星ロボの出現を望まない日々を誓います。

名無しの妹
富山東高校1年 稲垣 柚香
あの子には姉がいる
わたしと あともう一人
生まれてこれなかった
わたしの妹
あの子の姉

わたしが六つのとき
家には三・五人の家族がいた
そのうちの〇・五人には
まだ名前はなかったけど

わたしが七つのとき
家には三人しか家族がいなかった
名無しの妹は
顔も見せずに消えてしまった

わたしが八つのとき
あの子が家にやってきて
家族の数はまた三・五に増えた

わたしが九つにならないうちに
家には四人の人間が暮らすことになった
今までにない空気が そこにうまれた

たぶん あの子は知らない
自分に姉がいたことを
その子のおかげで生きていることを

やがて名無しは忘れられるのかもしれない
生きているのか 死んでしまったのか
名前があるのか ないのか
その違いは単純で 大きくて 深いから

あの子か 名無しか
名無しか あの子か
どちらかしか生きては産まれてこない世界
そのどちらも選ぶことはできないけれど
六つのわたしは確かに妹を愛し
八つのわたしは確かにあの子を愛した

やがてわたしはあの子に告げるだろう
かつてわたしが愛(いつく)しんだ
わたしの妹と
あの子の姉の物語を

高校生
小杉高校1年 津田 美礼
廊下で
スリッパで頭たたくと
スパーンって音

忘れものしたら
グラウンド100周

英語が読めなきゃ
正座でわびさび

テストの赤点?
退学だな

授業中に平気で寝る奴(やつ)
授業中に本気で寝る奴
授業中にウトウトする奴

クラスの学級委員長は
学年に一人は居る稀少(きしょう)種

弁当箱に五百円
母さんからの「これで昼なんとかして」
弁当つくる大変さのアピール?

とりあえずステージ広い
制服のデザイン
生徒手帳の顔写真
高校生の遠足
屋上に登っても良いの?
学食といえばカレー
先輩バイクで通学
トイレそうじでアイスホッケー

…入学式の三日前
間違った想像してました
間違った期待してました