第8回(2011年) 入賞者

佳作
鳥切辰海 (大町小 5年)
細野耕平 (中央小 2年)
中﨑 楓 (戸出西部小 5年)
二上紗月 (川原小 6年)
嶋田颯斗 (伏木小 4年)
山本真由香 (五位中 2年)
高橋侑花 (早月中 3年)
中田裕真 (芳野中 2年)
谷口日菜子 (高陵中 3年)
林 尚佳 (駄知中 2年)
鷲平英雄 (高岡第一高 1年)
西川郁美 (高岡工芸高 1年)
山﨑 芽佑里 (富山国際大附高 3年)
畝 亜由美 (高岡南高 3年)
畑 まりな (伏木高 2年)
奨励賞
尾川楓季 (富山大附小 5年)
吉田七彩 (平米小 4年)
亀井主隆 (平米小 5年)
船木愛華 (野村小 3年)
砂子昻輝 (大久保小 5年)
西田結香 (西田地方小 6年)
熊木里美 (五位中 1年)
大谷巧一 (五位中 2年)
前川裕城 (井口中 1年)
吉田治寛 (井口中 1年)
柿埜百合子 (高陵中 2年)
濱田愛乃 (新発田農業高 2年)
清水優実 (小杉高 1年)
要藤千明 (高岡第一高 1年)
髙橋健太郎 (高岡第一高 1年)
沖 佳樹 (砺波工業高 2年)
ねじめ正一氏選評
自分発見が醍醐味
 今年は作品のレベルは上がっていて、小、中、高の区別なく、言葉が濃密であった。書かされているのではなく、書きたいことをちゃんと書いていて、しかも自分を発見している。これが詩の醍醐味である。
 ポエム大賞の飯野玄君の作品「弱肉強食」は、リズムがいいだけでなく、リズムと音が伴っていて、心地よい。一行、一行、考え抜かれていてユーモアがある。2連目は猫が何かを食べているのか、猫が食べられているのかよくわからないところがかえって表現にふくらみをもたせている。最後の3行がいい。
 富山銀行賞の竹内香子さんの「汗」。香子さんという名前のように香りに敏感ですね。鼻がいいです。弟、妹、お父さん、お母さん、私をそれぞれの汗の匂いで表現しているが、正確に表現されている。私は「理科でかんさつしたヘチマのにおい/プールの水の塩素のにおい」に一番リアリティを感じた。小学校の6年らしさが出ている。
 小学校の部の最優秀賞の平野翔君の作品「お兄ちゃん」は、お兄ちゃんの存在が気になって仕方がないみたいですね。いろいろな人やモノから見たお兄ちゃんを想像している。自分がいろいろな人の立場になって考えているうちに、お兄ちゃんはとんでもないモノになってしまうが、最後は元のお兄ちゃんに戻ってゆく。お兄ちゃんのことをいろいろな立場から楽しんでいる。
 中学校の部の最優秀賞の村本健太郎君の作品「山町」は正確な観察眼がある。どれ一つ見逃すまいとする意欲があって、腰が座っている。このコンクールでは今までにも「山町」を書いた詩はたくさんあったが、この作品がダントツであった。これもすべて山町に溢(あふ)れる愛があるからである。
 高校の部の最優秀賞の久野夏波さんの作品「訪」は、最初はさりげない日常を詩に書いていると思って読んでいたら、あいちゃんの存在に胸が痛くなってきた。「おねえちゃんはお線香よりも砂糖菓子よりも/あいちゃんが何より好きよ」のフレーズに込み上げてくるものがある。
 表彰式ではたくさんの詩にコメントしたいと思っている。
ポエム大賞
弱肉強食
東京・麻布高校1年 飯野 玄  

走る
はしる
わけいる
マスオ君の通学路
いるわいるわ

マス マスマスマス

増えていますますおくん
本日タイムセール どれでも食い放題
1時間150¥
むしゃむしゃむしゃ
ぺろり
これはうまくて
これはまずい

止まれ

ねころがって
アピールする十字架
もう踏みつけなくちゃ
叱られちゃうよ(汗

「マスオまだ帰らないの!」
「どうしたのかねぇ……」

あたふたと
閉じられる
門限

富山銀行賞
高岡市川原小学校6年 竹内 香子
弟は未満児さん
弟の汗は 少しくさい
保育園でのお絵かきの
十二色のクレパスのにおい
折り紙のにおい
こぼしたおつゆのにおい

妹は四年生
妹の汗は くさい
理科でかんさつしたヘチマのにおい
プールの水の塩素のにおい

お父さんは くずきり屋さん
お父さんの汗は ちょうくさい
朝から晩まで工場で働いている
働き者の汗だ

お母さんも くずきり屋さん
お母さんの汗は 複雑なにおい
くずきりのにおいより
台所のにおいが強い汗
大根のにおいに
そうめんをゆでるにおい
時々、
ふわっと口紅のにおいが混じってる

私の汗は けっこうくさい
ハードル練習でかいた汗
算数の時間 先生にあてられて
どばぁっと出たあぶら汗
毎日 がんばっている証拠の汗

おふろで
じわっと汗をかきながら
今日も一日が過ぎたなと思ってる

最優秀賞
お兄ちゃん
高岡市中田小学校5年 平野 翔
ぼくのお兄ちゃん
死ぬほどこわい
なぜこわいかって
それは口づかいが荒いし、目つきは悪い。
だから、ぼくの友だちから
お兄ちゃんはとてもおそれられている。
それとは反対にお父さんは
 こわくないので、平気に勉強しろ。
お母さんも口づかいが荒いところを直して
 勉強しなさい。
いたずらっ子から見たお兄ちゃん
 こわいからいたずらはできないな。
ヒーローから見たお兄ちゃん
 一度こらしめてやらないと
テレビから見たお兄ちゃん
 どうせすぐチャンネルを
 回してしまうんだ
マンガから見たお兄ちゃん
 こわいからおもしろいギャグやらなきゃ
神様から見たお兄ちゃん
 もし天国に来たらおそろしいのお
ライオンから見たお兄ちゃん
 やせすぎて食べられそうにないな
宇宙人から見たお兄ちゃん
 解剖研究してみたい
原始人から見たお兄ちゃん
 新しい食べ物か?
恐竜から見たお兄ちゃん
 腹の足しにもならん

お兄ちゃんはいろいろな人に見られている。
ある日、お兄ちゃんは人形になって
ぼくに拾われてケースに入れられ
部屋にかざられた。
お兄ちゃんで、たまに遊んだりする。
水でぬらしてみる。
暑い日は冷蔵庫で冷やしてみる。
寒い日はレンジでチンする。
何だか楽しい。

そろそろお兄ちゃんもとに戻らないかな
そう願ったら、お兄ちゃんでっかくなって
もとに戻った
もとどおり、ぼくのこわいお兄ちゃん。 

山町
高岡市高陵中学校3年 村本 健太郎
空は青 太陽は白
黒い土の壁
炭を塗ったみたいだ
長方形がいくつも重なった
ぶ厚い土の扉は開け放たれて
中は真っ暗で何もみえない
中には何があるんだろう
古い物が入っているのかな
新しい物が入っているのかな
丸い鉄の取手を持って閉めたら
すごい音がするんだろうな
屋根には瓦
黒くて波打っている
光って本物の波のようだ
波の上にある黒いしゃちほこは
逆立ちしている魚
大屋根に降る雨を
受け取る雨どいは
古い緑青色
黒い土蔵の下には小屋根
茶色い格子戸
白い障子が見える
黒い土蔵の壁があれば
白い土蔵の壁もある
一つの町に
土蔵の家がいくつもいくつも
重なっている
どっしりしている
重たくて迫力がある
オレンジの黒と白の土蔵の前を
バスが走る
白い日傘を持ったおばあさんが歩く
郵便配達の赤いバイク
子供をのせた青い車
さるすべりの赤い花と白い花が
風に舞っておちてくる
赤や青の短冊をつけた笹が
ゆらゆらゆれている
帽子をかぶった赤いポスト
風でふくらむ白いのれん
格子戸の中には
金色の仏壇
笑っているマネキン
赤い子供のゆかた
みんなとてもきれいだ

京都市堀川高校2年 久野 夏波
トースターが ちんとなる
日曜日の あさ
せのびをして いちごジャムをさがす
あいちゃん
きのうはあんなに怒っていたのに
これね はいはい
そんな天使のような笑顔して
あいちゃんは いちごジャムが好きなのね

ピアノ 上手になったのね
お勉強もちゃんとするのね
おねえちゃん
と言って
時々泣くのね あいちゃん
おねえちゃんも時々 ひとりでさみしくなったりするのよ
わたしたちは あまりにはかないもの
でもあなたはそんなこと知らずに
顔をくちゃくちゃにして
好きなだけ 笑ったり泣いたりすればいいの

次おうちに帰ってくるときは
もっと笑えるように
あなたに怒られないよう
もっと早くに ね
おいしそうにパンをかじるあいちゃん
おねえちゃん そろそろ行くね

おねえちゃんはお線香よりも砂糖菓子よりも
あいちゃんが何より好きよ
あいちゃんの笑顔が
大好きなのよ

どうか
わたしのいとしいいもうとに
すこやかな未来と幸せが
ありますように

さよなら
あいちゃん

優秀賞
勝こう寺
高岡市伏木小学校3年 奥田 智哉
家のうらには
寺がある
でんとしていて
目立っている
寺の名前は
勝こう寺
じゃりがしゃりしゃり
気持ちいい
柱も太くて
強そうだ
さいがいきたら
にげ場所と
教えてくれて
ありがとう
七ふしぎは知ってるかい
空からふった
石あるよ
たたくとカンカン
ひびく音
ながれ星でいい音だ
まだまだあるよ
ひみつ場所
寺でたんけん
楽しいよ
伏木の人は
代表で
国のたからを
守っている
勝こう寺は
しあわせだ
伏木の人と
緑の自ぜん
たっぷりに
みんな一度
来てみたら
勝こう寺

アンテナ
高岡市東五位小学校5年 吉田 光輝
ぼくのうでは アンテナ
正直な アンテナ

授業中 先生の出す問題の
答えが よーくわかると
ぼくのうでは シャキーン‼
天井に届きそうなぐらい まっすぐになる
答えが だいたいわかると
ぼくのうでは ヘニョーン
顔の横ぐらいで 90度になる
答えが わかったようでわからないときは
ぼくのうでは ヘナヘナ
かたの横ぐらいで 30度になる

ぼくの手のひらも アンテナ
わかりやすい アンテナ

ぼくのうでが まっすぐな時は
手のひらも ピーン‼
手相うらないが出来そうだ
ぼくのうでが 90度の時は
手のひらも グニョーン
指までおじぎしてる
ぼくのうでが 30度の時は
手のひらも グー
首までかしげてみたり

そして 先生にあてられるのは 決まって
90度の ヘニョーンの グニョーン

夏の五感
滑川市早月中学校3年 林 音乃加
夕立ちの後に立ちこめるアスファルトのやけ
た匂い

痛いくらいにささる太陽のにらみ

モーター音に負けじと競うセミの声

ノドがヒリヒリするほどの乾いた風

食感を楽しめない溶け出したアイスクリーム

ああ、夏だな

祖母がたいてくれる線香の香り

沈むことを渋る夕日の余韻

たいこの音色と共に踊り出す花火の音

明け方のひとときの涼風

シャリシャリと音を立ててほおばる氷いちご

ああ、夏だね

やらしぃなぁやらしいやつやなぁ
岐阜県土岐市駄知中学校2年 小出 稜介
やらしぃなぁやらしいやつやなぁ
俺の弟は本当にやらしいやつや
俺が学校にはいていく靴と
休みにはく靴をいれかえたる
やらしいなぁごがわくなぁ

やらしいなぁやらしいやつやなぁ
俺のばあちゃんは本当にやらしいひとや
俺の家に来ていやみを言って帰りおる
やらしいなぁごがわくなぁ

まぁいっちゃんやらしいのは
それを言う俺やけどな





※ごがわく 愛知や岐阜などの方言で、非常に腹が立つなどの意味

白雪姫とシンデレラ
岐阜県飛騨神岡高校1年 小山 千晴
 ねぇ?
もしも私があのまっ赤なリンゴを食べていなかったらあなたに会えなかったのでしょうか?
 そう思うとあの恐ろしい魔女からリンゴを食べたのは正解で、そのことは偶然で運命だったのでしょうか?
 リンゴを一口食べていなかったら私はずっと平和に七人の小人と毎日歌をうたって踊りながらそれもそれで楽しく幸せに暮らせたのでしょう。
 でも、きっと心のどこかにポッカリ穴が開き、夜一人になると自然と涙がこぼれてきたのでしょう。
 それでも、私は想っていたと思うの。
 きっとあなたは私を見つけてくれる。ってあなたが優しく差し延べた手を夢にまち、きっと私はあなたにあげるアップルパイをつくりながら待っている。
 あなたが見えたらほほえむわ。
 あの小さな小屋のもとで。

 ねぇ?
 もしもあの時、ガラスの靴をおとさなかったら、どうなってたんだろうね?
 あなたは探すあてもなく、何年も私を探しつづけてくれたのかな?
 それでも見つからなかったら、私は後悔してたのかな?それともとても幸せな夢を見て幸せに包まれていたのかな?
 今の生活が幸せすぎて、そんなこと頭にうかんでこないわ。
 でも、2人で踊ったあの夜はとっても幸せだった。もし、私から魔法がとけてキレイなドレスもすべて消えてしまったら、あなたは私のことキライになるのかな?
 いいえ。きっと優しくほほえんでくれたわ。
 だから、あの時ふり返ってあなたの胸にとびこめばよかった。
 なーんて。
 今幸せで笑顔だから、いいんだけどね。

片思い
高岡第一高校1年 前田 秀滋
片思いしているほうは辛い
見ているだけで
心の奥をギュッと締めつけられる
抱きしめたくなる衝動にかられる

だけど相手はそんなこと知らない
笑ったり
泣いたり
怒ったり
気の赴くまま感情を表現できる

でもそんな相手が
相手の素の部分が 愛しい
またギュッと締めつけられる

何度も何度も何度も何度も
気持ちはループして
どんどん高ぶっていく
だけど
なかなか言い出せない
「スキ」って

心が破裂しそうで
辛くて
一緒にいるのも辛い

でも
やっぱり好きだから
ボクの心をギュッと締めつけてるのは
君だから
他の誰でもない
君だから

だから
一緒にいるのが辛くても
一緒にいたい
一緒に笑いたい
一緒に泣きたい
一緒に怒りたい
何もしなくていい
ただ
君は君のままでいてくれ
他の誰でもない君のままで
そんな君の近くにいたい

辛いけど近くにいたい
こんな矛盾が重なっていく
心の渦に気持ちが捕らわれている
どんどん心が壊れていく

それでもいい
ボクはどうなったっていい
君が君である限り

でも一つだけいいたい

どんなに心が壊れても
君への「スキ」はかわらない